研究課題
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近年、長時間の座位行動 (座りすぎ) が、運動不足とは独立して健康に悪影響を与えることが分かってきています。この悪影響は、身体の健康だけでなく、心の健康 (メンタルヘルス) とも深く結びついている可能性があります。この研究は、労働者の座位行動と、うつ病発症との関連を調べるための1年間の調査研究となります。
本研究では、日本の労働者を対象に、長時間の座位行動 (座りすぎ) とうつ病の発症との間に関連があるかどうかを検討した。日本の3つの企業を対象に1年間の追跡調査を実施しデータを収集した。調査には合わせて233名の労働者が参加した。統計的な解析の結果、仕事で (職場で) 1日当たり9.5時間以上座っている労働者は、そうでない労働者と比較して、およそ2倍、大うつ病エピソードの発症リスクが高かった。この結果は、労働者の身体活動・運動の程度や、仕事で抱えているストレスの程度などを考慮しても変化しなかった。現在、この結果を論文にまとめて、国際学術誌に投稿中である。
本研究は世界で初めて仕事における座位行動とうつ病発症との関連を前向きに検討したものであり、その学術的独自性は高いといえる。また、これまで不明であった座位行動と大うつ病エピソード発症との関連を明らかにすることは、健康科学における学術的知見を蓄積する上で、および産業保健現場における座位行動への介入の重要性を示す上で、非常に創造性の高い研究であるといえる。仕事において9.5時間以上座ることは、大うつ病エピソード発症のリスクを高める可能性があり、この知見は事業者にとって、予防の必要性が非常に高いうつ病への対策として、座位時間を減少させることの動機づけを高めるものである。
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すべて 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 3件、 査読あり 20件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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