研究課題/領域番号 |
19K21528
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補助金の研究課題番号 |
18H06459 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都築 怜理 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (60822153)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 群衆シミュレーション / セル・オートマトン / 粒子法 / フロア・フィールドモデル / ヘテロジニアス型計算機 / 並列計算 / 動的負荷分散 / 離散要素法 / フロア・フィールド法 / ネットワーク生成 |
研究開始時の研究の概要 |
セル・オートマトン法のひとつであるフロア・フィールド法とDEM(離散要素法)の連成計算を可能にし、避難・群衆行動のマルチ・スケール解析をヘテロ型のスパコン上で効率的に実行する計算フレームワークを構築する。マクロ領域では人や自動車などのオブジェクトが任意方向に移動できるフロア・フィールド法を新たに開発して適用し、オブジェクト間ではDEMの接触モデルによりミクロな相互作用を表現する。3次元計算では計算負荷が増大するため計算機システム全体で動的負荷分散アルゴリズムの最適化を図る。複数の接触モデルに対して同一の解析を行い統計力学的な観点から両者を比較し、ミクロな相互作用の及ぼす波及効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
演算加速器とスカラー型プロセッサが混合するヘテロ型の計算機において、セルオートマトン(CA)の一種であるフロアフィールド法と粒子法を用いた混雑・避難行動のマルチスケール解析を効率的に実行する計算フレームワークを開発した。巨視的な集団ダイナミクスをCAにより計算し、粒子間の微視的相互作用をラグランジュ粒子法により再現する。ヘテロ型の計算機に搭載されたスカラー型プロセッサ上でCAを実行し、演算加速器上で粒子法計算を実施する。空間充填曲線を用いたコア間の負荷分散や各粒子が保持するローカルリストによりシステム全体で実行性能の最適化を図り、実問題に対するシミュレーションによりフレームワークを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フロア・フィールド法は、距離関数場や足跡数などから算出される移動確率が最大となる方向に格子上で粒子を移動させるセル・オートマトンであり、群衆行動の本質的な振る舞いを再現できる反面、粒子間の微視的な相互作用の効果を厳密に捉えることは難しい。一方、粒子間の相互作用を精緻にモデル化できる粒子法は計算負荷が極端に高い。本研究課題は 2 種類の異なる計算手法を連成させることで群衆のマルチスケール解析の実現を試みる挑戦的な研究であり、計算力学や計算工学的な観点から学術的な意義は大きい。また、粒子法における粒子間相互作用のモデルを変更することで様々な応用問題に適用でき、実社会に有益なツールを構築できる。
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