研究課題/領域番号 |
19K21563
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補助金の研究課題番号 |
18H06501 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
神長 輝一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 博士研究員(任常) (90825176)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 放射線影響 / X線マイクロビーム / 細胞周期 / Fucci / マイクロビーム / ライブセルイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
X線の生物影響を明らかにする上で細胞小器官へ影響を解明していく必要がある。本研究では特にミトコンドリアに対する放射線影響に着目し、ミトコンドリア活性とミトコンドリア量がX線のダメージによってどのように変化するのか、さらに細胞内部位特異的なX線照射やDNA損傷修復タンパク質の阻害剤を用いることで、DNA損傷とミトコンドリア活性・量変化の関連性を明らかにすることを目的とする。これにより外部ストレスに対する細胞小器官を含めた細胞応答の一端を明らかにできると期待される。
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研究成果の概要 |
放射線による細胞小器官への影響は未解明な部分が多く、ATP産生を担うミトコンドリアへの影響は放射線影響を評価に重要である。本研究ではDNA損傷および損傷応答とミトコンドリア量・活性変化の関係性を明らかにするために、X線マイクロビームを用いて細胞核、細胞質にのみX線を照射し、ミトコンドリア量・活性の後経時的な変化を観察した。その結果、照射数日後に細胞核照射によりミトコンドリア量が増加し、一方細胞質照射では減少することが明らかになった。この時、ミトコンドリア膜電位には照射部位特異的な変化は観察されなかった。これはDNA損傷および損傷応答によるミトコンドリア量増加の可能性を示唆していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は細胞核への限定的なX線照射によってもミトコンドリア量増加が誘発されることを明らかにした。ミトコンドリア量の増加はDNA損傷応答に必要なATPの産生量を増加させると同時に、活性酸素種の生成も増加するため、正・負両面の影響を細胞に与える可能性があり、さらに詳細な検討が必要である。また、オルガネラが直接放射線のヒットを受けない可能性がある低線量被ばくにおいても、核に放射線がヒットした場合にはDNA損傷によりオルガネラへ何らかの影響が誘発される可能性を示唆しており、ミトコンドリア以外のオルガネラへの影響を解明していく必要性を示唆すると考えられる。
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