研究課題/領域番号 |
19K21565
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
高度科学技術社会の新局面
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
原 正彦 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50181003)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自然知能 / 知覚と造形 / 価値の選択 / 社会的価値 / インスタレーション / 社会的価値の創出 / スペキュラティブデザイン |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会は、高度な知的機能が問われ「人工知能」の時代に急速に転換している。一方、自然界に存在する生物や物質には、回路のような構造を持たなくても、適切な入力と出力があることにより、社会的に共通の価値をもたらす情報処理や機能変換などの、知的機能を発現する可能性がある。我々人類が達成した20世紀の科学技術は、その入力や出力の方法論を確立し、実験観測可能なマクロからナノに至る入力と出力から「自然知能」を実現するであろう現象が、自然界に存在することを確認して来た。本研究は、人工知能だけでは実現出来ない、その上位の原理としての「自然知能」の構造解明と、そこから新たな社会的価値を創出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、人工知能だけでは実現出来ない、その上位の概念としての自然知能という観点に基づく、自然界の生物や化学進化反応のダイナミクスなどに対する知覚と造形から、新しい社会的価値の創出を試みた。英国ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーティンズ校などと科学と芸術の融合連携研究を実施し、化学反応や自然界に見られるダイナミクスの科学的解釈とその社会的意義について、科学と芸術の両方の視点から議論を行った。また、芸術的視点を科学的創発に結びつけるサイエンティスト・イン・レジデンスを実施し、その造形創作過程と体験から生まれる新しい視点を科学技術研究にフィードバックする実証研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「自然知能」は、現在注目されている「人工知能」や「機械学習」とは、全く異なるものであるが、その本質を議論し、解明するには至っていなかった。また、そこから機能を抽出する際「科学技術」的な観点のみでは限界があると考えられ、「科学技術」と「文化芸術」の両面からの議論を初めて導入した。 本研究では、自然知能の理解について「科学技術」的な形式知の側面だけでなく、「文化芸術」的な暗黙知を積極的に導入することで、異分野の有機的融合連携研究を実践した。こうしたアプローチによって、既存の学問分野の枠内や延長線上にはない社会的価値を創出する、学際的かつ挑戦的な新しい学術基盤としての「自然知能」の確立を目指した。
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