研究課題/領域番号 |
19K21585
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西村 正樹 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 教授 (40322739)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 老化 / 循環因子 / アミロイドβ / 脳 / 並体結合 / リスク因子 / 加齢 / 老年期認知症 / 先制医療 |
研究開始時の研究の概要 |
老年期認知症の主要な原因であるAlzheimer病の根治的克服には、分子病態をトリガーする脳内Aβ蓄積に対する無症候期の早期介入が不可欠である。脳Aβ蓄積は高齢者の半数近くに認められ、正常老化に伴う軽度の認知機能低下の原因でもあることから、その克服は多くの高齢者のQOL向上につながる。本課題では、モデルマウスの老若並体結合を用い脳Aβ蓄積の加齢依存的循環性リスク因子を同定することから、リスクに関する理解を深め、リスク制御を可能にする方策の開発を目指す。同定する目的因子は、次世代型プレシジョン・メディシンにおいて、認知症リスクへの介入を実現するための標的分子となることが期待できる。
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研究成果の概要 |
脳Aβ沈着をきたすアルツハイマー病モデルマウス用い、老若ペアの全身循環系を共有させる並体結合から、脳Aβ沈着を制御する加齢依存的全身循環因子の同定を試みた。モデルマウスを若齢、同齢、老齢の各野生型マウスと並体結合した結果、脳Aβ沈着の程度は「若齢と結合したモデルマウス」<「同齢と結合したモデルマウス」<「老齢と結合したモデルマウス」であった。これは、Aβ蓄積を制御する加齢依存的な循環因子の存在を示唆する。さらに、網羅的脳mRNA発現解析を行った結果、脳Aβ蓄積レベルと相関した変化を示す候補分子を同定することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により同定した因子は、アルツハイマー病に対するプレクリニカル期からの予防的医療に向けた診断と治療の両面における標的分子として有望であり、短期的には診断手法や創薬リードなどの知的財産を生むことが期待できる。長期的には、プロテイノパシーを基本病態とする脳疾患に対する先制医療の実現が本研究により加速されると予想される。プロテイノパシーは神経変性疾患に限らず、Ⅱ型糖尿病や動脈硬化など加齢に関連する主要疾患の病態でも重要視されており、それらへの効果も期待できる。
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