研究課題/領域番号 |
19K21602
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽根原 理 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (30222079)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 聖徳太子信仰 / 大成経 / 乗因 / 潮音道海 / 依田貞鎮 / 東照宮 / 霊宗神道 / 三教一致 / 近世仏教 / 東照権現 / 黒本尊 / 排仏論 / 聖徳太子 / 灌伝 / 神仏習合 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸時代の精神世界について、従来のように儒学や国学で説明するのは、研究の進展によって不十分と考えられるようになった。仏教や神仏習合神道など、注目されることの少なかった、しかし実は庶民を中心に受容されていた非合理的な世界が、改めて着目されている。本研究はそれについて、『大成経』などの聖徳太子信仰を調査することで、仏教の理念を生かした近世思想展開という、従来とは異なる別の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
日本における近世(江戸時代)の精神世界は、長く儒学と国学などの学問を基準に考えられ、仏教など宗教思想の影響力は過少評価されていた。近年、大桑斉や末木文美士などによる見直しが唱えられたが、では実際に、どのような思想が近世の宗教を支えたのか未解明のままである。本研究は近世初期の天海(1536?-1643)を手がかりとし、聖徳太子信仰や神仏習合神道を広めた『大成経』と、それを信奉した潮音道海(1628-95)や依田貞鎮(1681-1764)の思想について、資料収集と検討を行い、従来見過ごされていた思想家や著作の再発見を進めることが出来たと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、近世の仏教や神道が日本思想の独自性形成に大きく関わったことが指摘されつつあるものの、徂徠(儒教)や宣長(国学)のような具体的な対象は不明確であった。本研究は『大成経』に代表される近世的聖徳太子信仰の体系を追求し、潮音道海(1628-95)や依田貞鎮(1681-1764)など代表的な思想家の著作を分析し、資料集や論集の形で新たな研究の足がかりを形成することができた。 SDGsなど、人々の生き方や社会のあり方を見直す機運が盛んな現代においても、日本思想の伝統を塗り替えていく知的営みは一定の影響力を持ち、国際化の軸足を固める一助になると考えている。
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