研究課題/領域番号 |
19K21604
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐倉 統 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (00251752)
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研究分担者 |
五十嵐 太郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (40350988)
片山 杜秀 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (80528927)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 文化史 / 科学技術史 / 民俗学 / 建築史 / 音楽史 / 美術史 / 文学史 / 日本の近代化 / 社会史 / 比較 / 科学技術社会論 / 政治思想史 / 民族学 / 日本研究 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、近代以降「『日本的』という標語がどのように語られてきたか」を分野横断的に比較し、近代・現代における「日本的」イメージの多様性を総覧するとともに共通性を抽出するものである。「民族」について様々な言説が乱れ飛ぶ現在、学術的かつ専門的な見地から、日本とその国民が自らをどのようにイメージしてきたかを明らかにして、現在におけるひとつの「規矩」を提供することは、社会的にも意義があると考える。
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研究成果の概要 |
科学技術、音楽、民俗学、建築、文学、美術などの諸領域で、「日本的」というイメージが明治期以降どのように使われてきたかを横断比較した。各分野に共通の傾向として、外国からの新しい文化潮流が流入してきたときにそれへの反応として「日本的なるもの」への関心が高まり、さまざまな定義が創造されていくという現象が見られた。また、近年ではむしろ日本国内では「日本的なるもの」についての関心が薄れているのに対し、諸外国からそのようなステレオタイプで見られる場合もあり、ある種のねじれが生じていることも少なくない。一方で、「日本的」とされたときにどの時代のどのような様式を指すかは分野ごとに異なり、恣意的ですらある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「日本的なるもの」という概念はさまざまな分野で時に称揚され、批判され、利用されてきた。しかしそこでイメージされている内実が、分野や時代や発言者によってどの程度異なりどの程度同じものなのか、そしてどの程度専門的な裏付けがあるものなのかは、今まで曖昧なままであった。それがしばしば過度の国粋主義称揚などの悪しき事態をもたらす一因ともなってきた。このプロジェクトでは明治以降の日本における「日本的なるもの」の内実と使用される文脈を科学技術、音楽、建築、民俗学、文学、美術などの異なる領域で相互に比較検討し、多面的なこの概念の明確化を目指した。分野間での共通点と相違点、注意点を浮き彫りにすることができた。
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