研究課題/領域番号 |
19K21607
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 (2020-2021) 東京藝術大学 (2019) |
研究代表者 |
大谷 智子 明治大学, 総合数理学部, 助教 (40422406)
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研究分担者 |
藤木 淳 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10457418)
丸谷 和史 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, 主幹研究員 (20626634)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 仮想世界指向 / インタフェース / メディア芸術 / 知覚法則 / 錯覚 / 仮想指向インタフェース / メディア表現 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今の情報技術の飛躍的進歩によって,仮想世界における表現が可能になってきた。実世界指向インタフェースなど,人間の知覚特性を基にしたVR技術を用いた表現はある。人間は,物理法則とは全く同じようには知覚,認識を行わない。今後,その人間が,仮想世界でも新たな表現や創作活動をしていくと予測される。本研究は,物理法則の範囲を超えて拡がっていると考えられる知覚の表現原理を,仮想世界という新しく現れた領域に適用してメディア芸術表現を創出する方法論を構築する。そのため,人間中心のデザインの提案,メディア表現の理論,人間行動の基礎科学の3つの視座から研究を推進する。
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研究成果の概要 |
仮想世界におけるメディア芸術表現では、世界や人間の非日常的・抽象的な側面を表現することもある。本研究では、非現実的仮想世界を題材とするコンテンツを制作し、人が受容可能な非現実的仮想世界のデザイン原理を検討した。レトロゲームのルールを援用したインタフェースを用いたメディアアートや、抽象的・三次元上に配置した幾何学的錯視パタンによる動的な街のイメージを表現した。これらの作品制作と評価を通じて、物理的な現実から逸脱しているが、心的モデルと適合的な解釈が生じ受容可能となる仮想世界向けの表現原理の存在を示した。また、心的モデルを外在化することによって世界観に関する新たな気づきが得られる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メディア芸術において、現実世界と同様の体験をバーチャルリアリティ空間で表現する作品は多い。これは、既知の人間の感覚特性に関する知見を利用し、五感等の情報を提示するという手法をとっているからだと考えられる。他方、本研究では、このような現実空間の知見を基準として表現するのではなく、仮想世界における物理法則を無視したコンテンツから、人間の体験をデザインするという手法をとる。今後、技術の発展と共に、情報表示方法や利用シーンが複雑化し、表示のデザインが要求されるであろう。作品の陳腐化・短命を避けるためにも、これまでにない世界に対する知覚を知り、構造化・理論化することは、挑戦的研究として充分に意義がある。
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