研究課題/領域番号 |
19K21608
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
平 諭一郎 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 特任准教授 (10582819)
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研究分担者 |
岩崎 秀雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00324393)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 芸術 / バイオメディア / 保存 / 修復 / 再現 / 蘇生 / バイオメディア・アート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年新たな表現分野として注目されるバイオメディア・アート(生物由来の細胞や生体高分子を媒体として用いた芸術作品)を対象とし、その作品の何をもって保存とするかという保存概念を考究する。さらに、バイオメディア・アート作品が美術館へ収蔵されることを想定した長期保存処置と修復・復元の可能性を探究し、その過程を含め多角的に検証することにより、作品を生きて存続させる新たな保存方法を開拓する。
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研究成果の概要 |
近年新たな表現分野として注目される、生物由来の細胞や生体高分子を媒体として用いた芸術作品―生きているバイオメディア・アートの保存とは何を意味するのかについて考察し、その長期保存を可能とする方法論を探求した。バイオメディア・アートの長期保存中に想定される、展示(公開)、保管(収蔵)、修復(蘇生)、再制作・再現(代替)のような手続きに対して、文化財・美術品の保存・修復アプローチと生命科学における延命・蘇生手法のアプローチ、双方から検討をおこなった。そのうえで、バイオメディア・アートを生きて存続させる新たな保存概念を作品同一性の観点から研究し、展覧会「再演―指示とその手順」にて発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バイオメディア・アートを対象とした本研究は、既存の文化財保存とは異なり、外部からの流入出(代謝)により生命を存続させる作品の「保存」とは何か、という新たな保存概念の構築に挑戦した。作品を生きて存続させる新たな保存概念を開拓したことにより、そもそも芸術作品の保存とは何を意味するのかについての問いを、文化財や美術品の保存・修復分野へと研究発表や展覧会を通して投げかけた。新たな保存概念の提起は、芸術作品を芸術たらしめる本質に関わるのみならず、芸術と非芸術、生命と非生命を隔てる界面を浮き彫りにする、分野を超越した学術的意義と成果につながるはずである。
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