研究課題/領域番号 |
19K21622
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
片寄 晴弘 関西学院大学, 工学部, 教授 (70294303)
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研究分担者 |
橋田 光代 相愛大学, 音楽学部, 准教授 (20421282)
小川 容子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20283963)
古屋 晋一 上智大学, 上智大学, 准教授 (20509690)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 演奏表現 / 感動 / デザイン / ピアノ / ポリフォニー |
研究開始時の研究の概要 |
名演奏に心打たれるという体験をした人は少なくないであろう。しかしながら、その理由、メカニズムについてはほとんどわかっていない。本研究では、コンテスト優勝者クラスのピアニストの協力のもと、世界最高峰の制度を持つセンサを用い、タッチまで含めたピアノ演奏(ポリフォニー)の演奏制御情報を計測する。 あわせて、普段、必ずしも意識下に上がってこないレベルのものも含めて演奏者が解するポリフォニーレベルでの音楽構造の徹底的な聞き取りを実施する。 得られた演奏制御情報と音楽構造の関係について、最新の数理解析手法を用いて分析し、ピアニストが演奏表現にこめた感動のデザインについて探っていく。
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研究成果の概要 |
プロのピアニスト3氏の協力を得て、解釈による演奏表現の変容が明確な課題曲3曲について、フレーズ構造解釈、モチーフ優先とするか和声優先とするか、さらに、これらのいずれかでテンポを変えるという3条件で演奏収録を実施した。収集した演奏データには、音源、MIDIによる演奏制御データ、タッチに相当するデータが含まれる。 対面での聴取実験が困難になったことに対応し、聴取者がフレーズをどのように捉えるかを測定する web システムを開発した。演奏者が意図したフレーズ構造は、テンポや音量の制御として一貫した表現ルールに従って表現されること、一方、タッチの表現については、別の演奏解釈要因が存在することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感動のデザインに関する演奏表現の研究は、音楽学や美学の視点からの検討が主流である。近年、深層学習の応用により、プロの演奏家に匹敵する演奏生成が可能となってきたが、その内部処理はブラックボックスであり、解明は今後の課題である。 本研究では、フレーズ解釈を中心とした演奏解釈に関する定量的情報と、タッチを含む演奏制御データを取得し、初期的な分析を実施した。コロナ禍に対応するため、研究計画の見直しを行い、webベースのフレーズ聴取システムという新たな方向性で成果を得た。他に類を見ない演奏解釈に関するデータを取得したものの、まだ分析できていない部分がある。今後の研究課題としてその分析に取り組んでいきたい。
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