研究課題/領域番号 |
19K21623
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
坂口 英伸 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (00646440)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | セメント美術 / セメント彫刻 / セメント / コンクリート / モルタル / 鉄筋コンクリート / 野外彫刻 / 小野田セメント / セメントレリーフ / 屋外彫刻 / モニュメント / 記念碑 / 小野田セメント株式会社 / コンクリート彫刻 / 白色セメント造形美術会 / 屋外(野外)彫刻 |
研究開始時の研究の概要 |
セメントは日本において美術素材として120年ちかく使用されてきた歴史を有するにも関わらず、美術史研究においては考察の対象外に置かれてきたが、木材・金属・石材などの伝統的な素材と同様に、セメントもまた近現代日本を構成する重要な素材であると研究代表者は考える。 本研究は美術素材(アート・マテリアル)としてのセメントに注目し、近現代日本においてセメントが美術素材として使用・受容されていくその理由と過程を解明し、セメント美術という新たなジャンルとして確立していく経緯を追い、セメント美術の存在を美術史上に位置づけようと試みるものである。
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研究実績の概要 |
最終年度は、明治期のセメント美術を研究の対象とした。明治期のセメント美術の作品は、現存例が見当たらず、また関連資料も多く残されていなことなどが理由となり、不明点が多い。わずかな資料と写真を手掛かりとして推察するに、日本におけるセメント美術の始まりは、1900年代初頭(明治30年代半ば)と考えられる。その流れは官民の2種に大別される。官の文脈では、東京美術学校の教授陣がセメントを用いて彫刻を制作した事例を指摘できる。第五回内国勧業博覧会の出品作《楊柳観音》《龍女神像》をはじめ、海野美盛(二代目)がセメントで原型を作りブロンズ鑄造で仕上げた《地蔵菩薩像》などが指摘できる。民の文脈では、緑谷友吉のような左官職人がセメントを用いて作品を仕上げた事例を挙げることができる。専門的な美術教育の有無は問わず、明治30年代に作品が登場する点は興味深い。
研究期間全体を通じては、特に戦後の動向の把握が深まった点は意義深いと思われる。セメント彫刻の野外展覧会を経済的に支援した企業の所蔵資料の発掘、当時の関係者へのインタビュー、日本各地で実施した現地調査などを実施し、その成果は口頭発表や論文投稿を通じて積極的に公表した。
本研究では、従来ではほとんど取り上げられてこなかったセメントに着目し、素材研究という観点から研究を実施し、金属・木材・石材などの伝統的な素材に、近代になりセメントが新たに加わり、セメント美術というジャンルが成立したことを結論とし、日本美術史上に位置づけた。
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