研究課題/領域番号 |
19K21630
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 真実 (渡邊 真実 / 村田真実) 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (90707738)
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研究分担者 |
岩井 康雄 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 教授 (30273741)
JIN ZHU 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 招へい研究員 (20790033)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本語教育 / 方言教育 / 方言聴解 / 近畿方言 / 音声学 / 音韻論 / 方言 / アクセント / 聴解 |
研究開始時の研究の概要 |
研究は四つの段階に分けられる。 1.現状の確認:応募者の所属部局の留学生に対し、自国で日本語諸方言に関する授業があったか、知識を得る機会があったかアンケートを行う。同時に近畿共通語の聴解テストを行う。 2.問題の分析:テストの結果から、標準日本語と比較して近畿共通語特有の聞き取りを阻害する要素を洗い出す。 3.教材開発:聞き取りを阻害する要素について知識を与える教材を作成する。また、与えた知識を基に、聞き取りの実践を行う教材を開発する。 4.効果の検証:応募者の所属部局にて、開発した教材を使った教育を行う。教育効果の分析と、教材の問題点について検証する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は日本語を母語としない留学生を対象とした研究課題であるが、COVID-19およびそれにかかる日本政府の留学生受け入れ方針により、留学生が渡日出来ないという状況が続いた。「2021年12月には渡日出来る見込み」「2021年2月には渡日出来る見込み」と、随時公開情報は更新され続けたが、度重なる渡日の延期で研究計画は頓挫したままである。 このような状況から、研究課題の内容を変更するタイミングも読めず、パイロット調査もままならならず、現在、早々に渡日出来た国の留学生とコンタクトを取り始めたところにある。 現時点で、沖縄県に1年間留学していたポーランドの留学生とコンタクトがとれたので、本研究課題の本筋とはずれるが、琉球方言バージョンの『桃太郎』の聴解実験を行った。被験者は伝統的な首里方言で読まれたそれを最初全く聞き取れなかったが、「おじいさん」にあたる語、「おばあさん」にあたる語、琉球方言と本土方言の母音の対応規則の原則を教授することで、ある程度聞き取れるようになった。ここから基礎的な語彙と音の規則を導入することで、日本語のヴァリエーションのかなり広い範囲をカバー出来るのではないかと推測出来た。これについては後日改めて別の音の規則でも実験する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、COVID-19およびそれにかかる日本政府の留学生受け入れ方針の影響を強く受け、遂行に大幅な遅れが生じている。しかし、2022年4月から5月にかけて、当初予定していた留学生のほぼすべてが渡日を完了する予定であり、2022年度は成果が挙げられるものと期待出来る。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月時点で当初予定していた留学生の渡日がほぼ完了する見込みであるため、予定通り、本研究課題を遂行する。 まずは近畿方言(近畿共通語)の聴解のどこにエラーがあるのか、音便にエラーがあるのなら音便の規則を導入し、音便に慣れさせておくことで方言聴解能力に向上が見られるか、パイロット調査を行う。パイロット調査で音便について確認したあと、音便の教え方、音便が使われている会話文の聞き取り実験等、次のステップに進む。 現在渡日している留学生および2022年4月渡日予定の留学生は2022年8月に帰国するため、8月までにパイロット調査および本実験を行う必要がある。
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