研究課題/領域番号 |
19K21631
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
高野 美千代 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10289811)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 書物史 / Richard Chiswell / 日英比較研究 / prison literature / conduct book / book history / 近世書物史 / 好古学 / 日英街道絵図 / 有職故実 / Richard Brathwaite / 若者向け作法書 / 苗村丈伯 / 17世紀英国文化 / 書籍商 / ブックリスト / 日英比較 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、「近世日英書物文化には偶発的類似が多く存在する」と仮定し、そのことを実証的に研究し、今後の書物史研究の発展の可能性を開拓することを目的とする。近世日英における書物史の様々な側面の比較研究を丁寧に進め、パラレリズムを実証していく。研究の過程においては、関連する分野の専門家である国内外の研究者から、研究協力、専門知識の提供を幅広く得ることとする。電子資料を十分に利用して作業を進め、国内外の現地調査・共同研究には、事前準備を万全にして臨み、近世英国書物史比較研究の基礎を築きたい。
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研究成果の概要 |
本課題においては「近世の日本とイギリスの書物文化には偶発的な類似点が多く存在している」と仮定して、そのことを証明するために書物史の複数の観点から主題にアプローチして実証的な研究を進めた。一例として、17世紀には日英両国で商業出版が盛んになり、主要書籍商の活躍が顕著となったことから、京都の八文字屋とロンドンのチズウェルを例に出版活動を比較検討し、とくに顧客獲得方法の工夫における類似点を扱った。また、読書文化の広まりに関する比較研究の対象として、若者向けの書物を取り上げ、17世紀の日本と英国における教養や社会通念の形成について論じた。さらに、好古学/国学研究についても複数の観点から考究を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題においては、これまで明らかにされてこなかった17世紀を中心とする近世日英書物文化の並行現象について考究し、その成果を発表・発信することを試みた。また、海外の研究者や、稀覯本を専門に扱う国内外の書籍商等より助言を得ながら、幅広い視点から課題に取り組み、書物の制作・流通、書物の受容、読書文化の広まりなど、英文学研究において作品のテクスト解釈以外を研究対象とすることの可能性を提示することができた。さらに、国際的な研究交流を通して、日英書物史比較研究が海外研究者からも関心を持たれるものであると認識し、継続して考究を深める価値があることを確信した。
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