研究課題/領域番号 |
19K21652
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
兼城 糸絵 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40709482)
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研究分担者 |
石田 智子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
佐藤 宏之 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50599339)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 戦跡 / 戦争体験 / 奄美群島 / 記憶の継承 / 活用 / 記憶の活用 / 戦争の記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
奄美群島には、明治から昭和にかけて作られた多数の戦跡が残されている。戦争が過去のもにになって久しい現在、戦争体験の継承や活用は社会的にも喫緊の課題だといえる。本研究では、奄美群島の戦跡の踏査と記録化、戦争の記憶の収集と体系化を通じて、島嶼部で経験された戦争がいかなるものであったかを検証する。そして、戦争の記憶を継承・活用していく方法論を考古学・文化人類学・歴史学の立場から検討し、地域社会への還元を目指していく。
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研究実績の概要 |
本年度は、喜界島(大島郡喜界町)において戦跡の現状確認の調査を行った。喜界島には1944年に海軍の飛行場が設置された(現在の喜界空港)。そこは沖縄方面に向かう特攻機が整備・給油を行うために立ち寄る等の中継地的な役割が与えられていた。特攻機の拠点になったことから、その周辺地域を含めて複数回にわたって空爆を受けたという。現在、喜界空港の周辺には飛行場に関連する様々な戦跡(「戦闘指揮所跡」や「掩体壕」など)が一部見学可能な形で残されている。中には保存状態が良好ではないものも確認されたため、今後どのように保存していくのかが課題であるといえる。また、喜界島の戦跡に関する調査も体系的に行われてきたとは言い難いことが見えてきたため、情報の整理は急務であると考えている。 一方で、今年度の調査も新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、住民に対する聞き取り調査を十分に行えなかった。喜界島での調査では、地元のガイドの方から戦跡の保存状況のほか、空襲時の避難の実態について貴重なお話を伺うことができた。だが、空港のほど近い集落の状況しか伺うことができなかったため、今後更なる調査を進めていく予定である。また、近年では島内でも戦跡に対する関心が高まっていることが確認されたので、その動向を今後も注視していくつもりである。 なお、今年度はVRを用いたワークショップを奄美大島で開催する予定であったが、コロナ等の事情により開催できなかった。来年度の課題としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は短期間ながら現地調査を実施することはできたが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらなかったため、住民に対する聞き取り調査を見送ることとなった。そのため、今年度は前年度までに収集した資料の整理やワークショップに向けた準備を中心に行った。次年度は感染症の拡大に留意しながら、現地調査やワークショップを実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はこれまでコロナ禍により実施できなかった調査を行う予定である。具体的には、喜界島や徳之島で聞き取り調査を実施した上で、戦跡の記憶継承と保存に関するワークショップを開催する予定である。また、調査成果として奄美群島の戦跡に関するブックレットの発行を予定している。
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