研究課題/領域番号 |
19K21662
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 智 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30363518)
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研究分担者 |
藤本 武 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (20351190)
山本 宗立 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 准教授 (20528989)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 発酵食品 / 伝統食 / 食文化 / 発酵食 |
研究開始時の研究の概要 |
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、味噌、醤油、日本酒などの発酵食品が海外でもブームになっている。しかし、海外のローカルな発酵食品が置かれている状況は日本とは異なり、伝統的な発酵食品が廃れるような地域も見られる。しかし、発酵食品が主食として用いられている地域も存在し,地域における発酵食品の位置づけは、極めて多様である。そこで,本研究では,発酵食品のうち主食,調味料もしくは副食,酒,種菌を対象に,オセアニア,アフリカ東部,東南アジアの3地域で調査を実施する。その際,「伝統食の中における発酵食品の位置づけ」という共通の分析枠組みを設け、総合的・通地域的に研究を行い発酵食品の位置づけを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では世界の各地域の伝統食として伝えられている発酵食がいかに継承され、また変化しているのかを調査した。その結果、インドネシアの伝統的ダイズ発酵食のテンペは伝統的な植物素材を使った製法が廃れていた。また、東北タイの魚発酵調味料「プラ・ラー」は、生産時に使う塩が現地の岩塩から海水塩へ、また原料の魚が淡水魚から海産魚へ、ガーナの発酵調味料「ダワダワ」がヒロハフサマメノキからダイズへと変化し、製法だけではなく発酵食品の原料が変化している事例も見られた。発酵食品は各地の伝統食として位置づけられているものの、自然素材の希少性、原料入手の困難性から、製法と原料が大きく変化していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は伝統食とみなされる発酵食品に着目し、それを東南アジア大陸部、東南アジア島嶼部、そしてダイズ発酵調味料が日常的に利用されている西アフリカの3地域で比較しつつ、発酵食の位置づけに関して明らかにした研究である。伝統食文化がユネスコ無形文化遺産に登録される今日、伝統食は変化すべきではないのか、また変化しても伝統食と呼べるのか、様々な議論がなされている。本研究では、フィールドワークにより地域の生産者の声を拾い上げ、変化の原因を解明したことに学術的意義を見出すことができる。また、これまでの研究成果を社会に還元するために名古屋大学博物館において特別展示を実施した。
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