研究課題/領域番号 |
19K21671
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
|
研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
桐村 喬 皇學館大学, 文学部, 准教授 (70584077)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 都市内部構造モデル / 畳み込みニューラルネットワーク / 地域分類 / 可視化 / 地域イメージ / 都市圏 / 小地域統計 / 地理情報システム(GIS) / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の都市の内部構造に関しては、従来、同心円やセクターという地理的パターンの基準をもとにして、分析、解釈がなされてきた。一方で、近年の日本では、その内部構造を大きく変容させるような現象が生じている。そこで、本研究では、従来の都市内部構造モデルの日本の都市に対する適合度について、機械学習の手法を援用して定量的に評価するとともに、様々な規模の日本の都市を対象とした機械学習による都市内部構造の分類を通じた、新たな都市内部構造モデルの構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
日本の都市の内部構造に関する研究においては、従来、バージェスの同心円モデルやホイトの扇形モデルなどを念頭に置いた、同心円やセクター(扇形)という地理的パターンの基準をもとにして、分析、解釈がなされてきた。一方で、近年の日本の大都市圏においては、人口の停滞や減少など、その内部構造を大きく変容させる現象が生じており、従来的なモデルやパターンの捉え方が適当ではなくなっている可能性がある。そこで、本研究では、従来の都市内部構造モデルや典型的パターンの日本の都市に対する適合度について、機械学習の手法を援用して定量的に評価するとともに、様々な規模の日本の都市を対象とした機械学習による都市内部構造の分類を通じた、新たな都市内部構造モデルの構築を目指している。 2022年度は、機械学習の学習対象とする地域を選定する際の基準を検討するために2021年度に実施した、東京圏および大阪圏に居住する住民への大規模なアンケート調査結果の集計・分析を行い、皇學館大学紀要に論文として公表した。アンケート結果からは、オフィス街や高級住宅街など、イメージしやすい地区類型については具体的な地域が特定できることが多い一方で、商業集積地のように、アンケート回答者の居住地に依存するような地区類型については回答が分かれる結果となった。これらの結果をもとに、機械学習の学習対象とする地域の基準を定め、実際に学習地域を検討する作業を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析手法の開発は、機械学習で学習する地域の基準の設定を含め、一定の水準にまで達しているものの、新型コロナウイルスの感染拡大によって、分析結果の現地確認(グラウンドトゥルース)が依然として十分に行えていない。また、所属研究機関の変更に伴う様々な業務の増加もある。これらを受けて、研究期間の2023年度までの延長を申請し、承認されており、やや遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度である2023年度は、都市内部の地域イメージに関する大規模なアンケート調査の結果も活用しながら、畳み込みニューラルネットワークによる都市内部の地域分類を行い、より現実に合った都市間の比較分析を通して、日本の都市内部構造の典型的パターンの抽出と都市のグルーピングと、日本の都市の現状に基づいた都市内部構造モデルの再構築に取り組む計画である。また、地理学的な視点からの適切な評価のためには、現地調査の実施が必要であり、可能な範囲で一定の地域で実施することを目指す。また、研究成果の公表については、主に国際雑誌への投稿の形で行うこととし、積極的に進める。加えて、研究によって得られた新たなモデルや分析結果データについては、研究期間終了までにインターネット上に公開できるようにする予定である。
|