研究課題/領域番号 |
19K21676
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇佐美 誠 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80232809)
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研究分担者 |
大屋 雄裕 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (00292813)
松尾 陽 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80551481)
成原 慧 九州大学, 法学研究院, 准教授 (40647715)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 人工知能 / 分配的正義 / 自由 / アーキテクチャ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は、人工知能(AI)が著しく発達した近未来の社会的経済的状況を見据えて、新たな分配的正義理論を提案するとともに、個人の自由への新たな形態の脅威に対して理論的応答を提示することを目的とする。この研究目的を効果的に達成するため、正義班と自由班を組織しつつ、相互に連携して研究を実施する。補助事業期間を基礎作業、構築・展開、総合・完成という3つの段階に分け、計画的に研究活動を推進する。
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研究実績の概要 |
本研究は、人工知能(AI)が著しく発展した近未来の社会経済的状況を見据えて新たな分配的正義理論を提案するとともに、そのような状況における個人の自由への脅威に対して理論的応答を提示することを目的とする。この研究目的を効果的に達成するため、正義班と自由班に分かれて活動しつつ、全体会合を通じて統合化を推進している。 令和元年度には、(1)文献調査を通じた論点抽出、(2)各自の理論構築、(3)共同討議を踏まえた理論の彫琢を予定していた。これらの作業はいずれも順調に実施することができた。(1)については、①AI大失業が仮に発生した場合、分配的正義論の代表的諸理論はどこまで応答しうるか、②より適切な応答を行うためには、いかなる理論を構築するべきか、③人間とAIは規範に対する関係上どのように異なるか、④人間がもつ可謬性や現代社会でのリスクの甚大性に応えうるのはいかなる社会制度か、⑤AI時代の自由と権力は従来とどのように異なるか、⑥自由と権力の権衡を図る新たなガバナンスをどのように構想するか、⑦人間の自律とAIの自律はいかなる点で異なるか、⑧人間に資するAIにはどのような権利を附与しうるかなど、多岐にわたる重要論点が析出された。これらの論点にそくして、(2)および(3)を推進した。 それにとどまらず、(4)中間成果物および関連成果物の公刊・口頭発表を多数行うことができた。主要な成果物として、宇佐美による優先主義の批判的検討の論文と、AI時代の意思決定をめぐる鼎談の誌上公刊、大屋によるAIと人間・社会に関する共編著論文集や、技術革新と社会に関する英語論文、松尾による人工システムと法に関する学会報告、成原による前掲の共編著論文集や、AIの法的諸論点に関する国際会議報告が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた(1)文献調査を通じた論点抽出、(2)各自の理論構築、(3)共同討議を踏まえた理論の彫琢に加えて、(4)中間成果物および関連成果物の公刊・口頭発表を多数行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、共同討議を踏まえた理論の彫琢と中間成果物の公刊・口頭発表とを継続した上で、研究組織外の研究者による参加も得つつ、最終成果物論文集を公刊する。
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