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日本における選挙研究の統合:メタ分析による研究成果の統一とデータベースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K21682
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分6:政治学およびその関連分野
研究機関高知工科大学

研究代表者

矢内 勇生  高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (50580693)

研究分担者 SONG JAEHYUN  関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70822617)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード選挙 / メタ分析 / 知見の蓄積・統合 / 日本政治 / 計量分析 / データベース / 日本 / データ分析 / 知の蓄積 / 政治学
研究開始時の研究の概要

本研究は、これまでに実施された日本の選挙研究の知見を、統計的メタ分析を応用することによって統合し、知識を蓄積・共有するための新たな方法を提案する。本研究の意義は二つある。第一に、本研究のメタ分析により、個々の選挙研究を同じ問題の解決に取り組む研究全体の一部として捉え、その成果を集約し、それを基盤として新たな研究を推進することが可能になる。第二に、本研究が提供するデータベースは、民主制の根幹に関わる選挙についての学術的知見を社会に還元する。本研究は、これからの選挙研究が先行研究をもれなく共有することを促し、研究結果の偏りを縮小することに貢献する。

研究実績の概要

本研究は、これまでに実施された日本の選挙研究の知見を、統計的メタ分析を応用することによって統合し、知識を蓄積・共有するための新たな方法を提案することを主な目的とする。研究者がメタ分析を行うための資源を提供するとともに、政治学がこれまで蓄積してきた選挙研究の分析結果を閲覧するためのデータベースを提供することを目指す。
3年目である2021年度は、前年度までに収集した文献情報をデータベースに入力する作業を進めるとともに、必要な資料のさらなる収集を行った。絶版になっていて通常の書店では手に入らない日本語文献についても、古書店でおおむね入手することができた。英語文献についても、大部分を集めることができた。これらの資料を研究内容に基づいて分類し、データベースに入力する準備を進めた。さらに、データベースを公開するためのサーバを用意し、公開にむけてプログラミング作業に取り組んだ。
さらに、収集したデータを用いてメタ分析を行った。特に、投票参加に関するメタ分析の中間的な成果を日本選挙学会の研究大会(オンラインで開催)で報告した。研究会で得られたコメントを踏まえて論文の改訂作業を行っている。また、投票参加以外の結果変数に対する分析を行うための準備作業を行った。
これらの研究により、個々の研究者が各自の課題に取り組むだけでなく、問題関心を共有する複数の研究者が研究に利用したデータを公開したり、分析に利用した方法を詳細に報告したりすることにより、研究分野全体で知識を蓄積するためのより一層の努力が求められることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、旅行や国立国会図書館の利用が制限され、研究を進める上で必要不可欠な資料の収集が予定通りに進まなかった。オンラインで収集可能なものから優先して収集を進めたものの、データベースに入力するための情報の収集がやや遅れている。
分析枠組みの構築自体はおおむね順調に進んでいるが、資料収集の遅れに伴い、資料をデータとして用いる分析作業もやや遅れている。

今後の研究の推進方策

当初の計画では2021年度までに研究を完了する予定だった。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で計画通りに研究が進まなかったため、2022年度まで研究期間を延長することにした。2022年度は、2021年度に完了予定だった作業を速やかに進めるとともに、より発展的な分析に着手する。
まず、残された文献の収集作業を進める。COVID-19の影響で国立国会図書館をはじめとする公共施設で収集する予定だった資料が揃っていないので、感染状況を注視しつつ、できるだけ早期に収集を行う。
次に、収集・分類した結果をデータベースに登録する作業を進める。特定の結果(例えば、投票率)を選択すると、それを説明する研究が表示され、その研究の分析結果(例えば、「晴れの日に比べ、雨の日の投票率は2%低い」など)が表示される仕組みや、特定の説明要因を選択するとその要因を使って選挙を説明する研究が一覧表示され、各研究における当該変数の扱い(例えば、その変数が研究における主な説明変数なのか、研究の主たる関心ではない交絡変数なのか)が確認できる仕組みを作ったので、これを公開するためのユーザーインターフェース (UI) を整備する。UIができ次第、データベースを公開する。
最後に、収集した研究を用いたメタ分析を実施する。これまでの研究により、同じ条件の下で行われた複数の実験結果を統合する基本的なメタ分析では知見の統合が困難であることが示された。政治学の研究においては、研究者ごとに同じ概念を測定する具体的な方法が違ったり、同じ現象を説明するために統制する要
因が異なったりするのが普通である。そこで、異なる統計モデルを統一的に解釈するためのメタ回帰と呼ばれる手法を基に、ベイズ統計学で発展したモデル選択の知見を加えた新たな知見の統合・蓄積の方法を提案する。

報告書

(3件)
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書

研究成果

(4件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Who Gets Close to Government Policies, and Who Steps Away?2020

    • 著者名/発表者名
      Sohei Shigemura, Jaehyun Song, and Yuki Yanai
    • 雑誌名

      選挙研究

      巻: 36 ページ: 139-150

    • NAID

      40022496760

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Integrating Research on Voting Behavior in Japan: A Meta-Analysis2021

    • 著者名/発表者名
      矢内勇生, SONG Jaehyun
    • 学会等名
      日本選挙学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Who Gets Close to the Government's Policy Position and Who Steps Away? Evidence from Survey Experiments in Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Yuki Yanai
    • 学会等名
      Midwest Political Science Association
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 定量的選挙研究における結果の解釈をめぐる問題2019

    • 著者名/発表者名
      矢内勇生, 宋 ジェヒョン
    • 学会等名
      日本選挙学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-07-04   更新日: 2022-12-28  

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