研究課題/領域番号 |
19K21712
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
亀田 啓悟 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80286608)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 財政不安 / 民間消費 / テキスト分析 / 家計調査 / fiscal VAR |
研究開始時の研究の概要 |
近年、財政不安が民間消費を抑制しているとの議論がある。しかし、経済学において財政「不安」を定量的・明示的に扱った研究はこれまで存在しなかった。 そこで、本研究ではテキストマイニングにより財政不安そのものを指数化し、財政不安が民間経済に与える影響を考察する。具体的には(1)不安指数を説明変数に加えた消費関数の推計、(2)不安指数を変数として含むVARによるマクロ経済分析、の二つを行う。 周知のように、テキストマイニングは近年多くの注目を集つめるAI研究の一分野であるが、経済学、特に本研究の属する財政学での活用ほぼ進んでいない。この点において本研究は非常に挑戦的なものと位置付けることができる。
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研究実績の概要 |
申請時の研究計画書に記したとおり,本研究ではテキストマイニングにより財政不安を指数化し、財政不安が民間経済に与える影響を考察することを目的としている。具体的には(1)不安指数を説明変数に加えた消費関数の推計、(2)不安指数を変数として含むVARによるマクロ経済分析、の二つを行う。 2022年度は、上記(2)についての分析を精緻化した。具体的には一人当たりプライマリー歳入、一人当たりプライマリー歳出、上述の財政不安指数、一人当たり民間消費、一人当たりGDPの5変数構造VARで分析したところ、財政不安の高まりが実質消費と実質GDPを抑制し、その効果は12四半期にわたって継続することが確認された。また、財政不安による民間需要の抑制に反応して、プライマリー歳出が増加しており、これにより財政不安指数が高止まりする結果となった。本研究結果はSingapore economic review conferenceなど学会報告でのコメントを踏まえたものであり、2023年度の早い段階で査読付き英文学術誌に投稿する予定である。 なお、(1)の研究についても草稿は仕上がり、研究会報告なども済ませているため、データの延長などを検討の上、2023年度内に査読付き英文学術誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の研究計画書に記した2種の研究は、ともに学会報告を済ませ英文草稿も仕上がっている。よって2023年度内の査読付き英文学術誌への投稿は十分可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の研究計画書に記した2種の研究のうち、「(1)不安指数を説明変数に加えた消費関数の推計」で用いたデータは少々古くなっており、できればアップデートすべきである。他研究との時間配分を考える必要があるが、アルバイトの活用などにより、この作業も行っていきたい。
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