研究課題/領域番号 |
19K21715
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 東北大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
瀧川 裕貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60456340)
|
研究分担者 |
毛塚 和宏 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 講師 (00805244)
藤岡 悠一郎 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
田村 光平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (60725274)
柿沼 薫 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (20773401)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 不平等 / 極端気象 / 災害 / 極端な気象現象 / 格差 / モンゴル / ナミビア / ゲーム理論 / 民族誌データ / 環境変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は人間の社会構造における多様性の発生要因および発生過程を,とくに格差に注目して長期的スケールで説明可能なモデルを構築することである.具体的には,(1) 文化人類学の手法によって入手した個人間の相互作用に関するデータに基づきゲーム理論モデルを構築し,集団レベルの格差の拡大や縮小が説明可能かを検討する.(2) そうした相互作用から,自然人類学・考古学的な時間スケールで起こる社会構造の変化,とりわけ格差の現れ方の多様性などが説明可能かを検討する.そのための研究戦略として,モンゴルとナミビアと いう非工業化社会の現地調査に基づく独自の民族誌データセットに依拠する.
|
研究実績の概要 |
社会的格差が生じるメカニズムの研究の一環として、極端気象がもたらす経済格差への永享を実証研究によって明らかにした。具体的には、モンゴルの牧畜を対象に、極端気象後の牧畜者間の経済格差を分析した。2009年にモンゴルでは雪害により、国内の家畜の約20%が失われた。2004年から2013年にかけての長期家畜パネルデータセットを使用し、災害後の経済分布の変化を調査した。結果、災害後に経済格差は拡大し(ジニ係数は0.46から0.61に増加)したことが明らかとなった。格差分析の分解は、グループ内格差が全体の格差に大きく寄与したことを示し、家畜の数が少ない世帯群で格差の増大が大きかった。さらに、家畜の数が回復しなかった世帯は、回復した世帯に比べて災害時の家畜の損失率が高かった。この研究は、極端気象に脆弱な世帯の特徴を同定し、格差の拡大を防ぐ政策的措置を行うための基礎的な知見となり得る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モンゴルにおける格差発生メカニズムの数理モデルについて研究を進めている。概ね、結果は出そろったが、出版のためにまとめるために予想以上の時間がかかったため、期間を1年延長した。2024年度にはこの成果が出版される予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
格差発生メカニズムの数理モデルの出版準備を進めるために、共同研究者の間で頻繁に打ち合わせを行う。
|