研究課題/領域番号 |
19K21721
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 教授 (60273570)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 印象操作 / 顕示的消費 / 場の秩序 / 官僚制 / ハビトゥス / 社会階層 / 自己呈示 / 化粧行動 / 印象管理 / 階級文化 / 美的資本 / 服飾行動 / 文化資本 / 階級 / 自己提示 / 美的労働 / 社会的地位 / 感情労働 / 被服行動 / 化粧 / 社会階級 |
研究開始時の研究の概要 |
二次データと一次データを用いて美的労働の測定法を開発するとともに、美的労働と社会階層の関係についても統計的に検討する。美的労働とは職務上必要とされる服装や化粧、立ち居振る舞いといった自己呈示の総称であるが、これらの存在や社会階層との関係については事例研究で指摘されてきたにもかかわらず、そのような現象がどの程度一般的なのかについては、統計的に明らかにされてこなかった。これを統計的に分析するための方法論を発展させるために、痩身度や化粧、職場での服装といったことがらを調べる方法を検討する。
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研究実績の概要 |
第一に、社会階層による外見・容姿の違いを検討した。外見・容姿の指標として、1 アクセサリ、整髪料、化粧等の利用頻度、2 理容・美容店の利用度、3 頭髪・体毛の手入れ時間、4 顔、スタイル、等への自己評価が用いられた。学歴、職業や従業上の地位はこれらに対してほとんど有意な効果を及ぼさないが、世帯収入(3を除く)、仕事の自律性(1, 4だけ)、文化資本(ほぼすべて)にプラスの有意な効果があった。 第二に、職場での規則による労働者の外見に対するコントロールの仕方について検討した。潜在クラス分析の結果、1 爪やアクセサリに関する規則は高い確率で存在するが、服装や靴、化粧、髪に関する規則はあまりない職場、2 外見に関する規則がほとんどない職場、3 ほぼすべての項目に関する規則がある職場、4 服装と靴に関する規則は高確率であるが、その他の規則はあまりない職場、の4つに分類された。3の職場は特に、販売やサービス職に多く、労働者自身も外見に気を配っていることが示された。 第三に、「外見を整えられる人は有能で信頼できる」といった考え方(外見観と略称)の男女差が検討された。外見観は4項目で測定されたが、因子負荷量も独立変数の効果も有意な男女差はなかった。男女とも接客頻度が高く、制服のある仕事をしている人ほど外見観が強く、60歳代でそれ以下の年齢層よりも強かった。 第四に、採用担当者による外見評価調査の結果をまとめた。採用担当者は応募者の外見や立ち居振る舞いをチェックしていることが多いが、特に表情とあいさつの仕方が注目されていた。また、一般消費者に接する機会の多い業態ほど外見に関する研修も厳しくなされている傾向が見られた。こういった外見のコントロールはブルデューの言うような卓越化のためになされているというよりは、ゴフマンの言うような場の秩序を保つためと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この研究プロジェクトに十分な時間を割くことができず、2022年度に調査を実施することができなかった。すでに実施した調査データの分析は行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
予算がまだ残っているので、それを使って2023年度に調査を実施する。すでに行った調査の結果を踏まえて、美的労働の測定法を改善することを主な目的とする。
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