研究課題/領域番号 |
19K21727
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川野 英二 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20335334)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 都市モビリティ / 貧困 / 社会的孤立 / セグリゲーション / 都市 / モビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、社会調査データと空間移動データを組み合わせて、大都市におけるモビリティの社会的不平等に関する分析を行なう。モビリティという問題意識は、近年社会学において取り上げられながらも、居住地特性が個人の日常的な移動とどのような関係があるのか、あるいは年齢や階層など社会的な属性によって移動に不平等は存在するのかという実証的な課題は十分に取り組まれてこなかった。 本研究では、居住地と日常的移動における不平等の問題に取り組むため、従来型の調査に加えて、携帯電話から取得できるモバイルデータなどを加えたモデルを構築し、困窮地域住民が他の地区住民よりも不利益にあるとする「社会的孤立」仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、まずGISをもちいて社会地図と地区類型の作成、セグリゲーション分析、調査データの再分析を行なった。2019年に大阪市内の複数地区でサンプリング調査、2021年には対象を大阪都市雇用圏に拡大しウェブ調査を実施した。また、日常的な移動、ジェントリフィケーションに関するフィールド調査を欧州の都市で実施した。社会的孤立や移動データに関しては、大阪都市圏における近隣間移動の動向を把握し、調査データと結合した再分析の準備を行なった。2021年調査では移動データを入手できたため、今後は居住履歴のパターンを分析できる。研究成果の一部は編著『阪神大都市圏の研究』ほか複数の論文として公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
都市セグリゲーションと貧困の研究は、福祉レジームによる違いなど、比較対象が拡大している。近年は都市の「モビリティ」に関する問題が注目されているが、主に理論的議論が多く、日本の社会学ではセグリゲーション、都市モビリティと階層、不平等との関係の実証研究は未着手である。本研究では、最新の調査法、分析手法を駆使して、これまで社会学の分野では十分に活用されてこなかったデータを取り入れ新たな分析を発展させることによって、理論的な問題設定を経験的な研究へと展開する。そのさいに、モビリティに焦点を当てることによって現在の格差問題の新たな課題を明らかにすることができる。
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