研究課題/領域番号 |
19K21736
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 著作権 / AI / 協創 / 二次的著作物 / 共創 / 創作 |
研究開始時の研究の概要 |
AIが自立的に生成した作品は,人間が創作した著作物と区別できない可能性が指摘されている.本研究は,人とAIとの共創的な創作活動を通し,著作権のあり方を文化の発展の見地から総合的に考察できる人材の育成を目的とする.本研究では,学習者はAIによる創作支援を受けることで,自身の作品を展開する.学習者は,これらの経験から自身の身近な創作活動が情報技術と色濃く結びつく可能性を理解し,その影響と可能性を理解する.
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研究成果の概要 |
(1)半期の授業実践の中で,学習者の著作権に関わる理解レベルを継続的に評価した結果,特に翻案に関する理解が良好になされていることが確認された.また,構図が同じで異なるタッチの作品比較においては,学習者の著作物性の判断として,セリフの寄与が高いことが明らかになった. (2)授業実践との比較として,大学生と40代男女についてウェブ調査を行った.二次的著作物,翻案権という用語調査では,二次的著作物は概ね半数,翻案権については7-8割が知らないことが示された.また,(1)の授業実践と同様の問いの結果から,授業実践による翻案理解の学習効果が高いことが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行の著作権法は,著作物は思想・感情を創作的に表現したものと定義されているが,AIが自律的に生成した作品は,人間が創作した著作物と区別できない可能性がある.実際,2022年8月のAIエンジンによる画像創作作品の受賞を契機として,生成系AIに関する話題や議論,裁判等,話題に事欠かない.AIと協創する作品制作は,現在では大きく進展している.このような現状にも関わらず,学習者の二次的著作物や翻案についての理解は高くはない.本研究では,二次的著作物および翻案の理解を深めるための効果的な授業実践を示したことで,生成系AI時代における基礎的前提知識を実践的に得ることができ,社会的意義があると考える.
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