研究課題/領域番号 |
19K21752
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小柴 佑介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術専門職員 (60419273)
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研究分担者 |
中山 穣 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 特任教員(助教) (10804932)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 不安全行動 / 避難後行動 / 一時避難 / 危機管理 / 防災教育 / 行動意思決定 / フィジカルハザード / 漫画教材 / 再入棟行動 / 火災爆発 / 中毒酸欠 / 一次避難 / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
大学等の理工系建物内には,高圧ガスボンベ等の危険源が多くある.大地震直後,建物外へ一旦出た避難者が当局の指示を待たずに自己判断で建物内に戻ってしまう可能性があり,特に建物損傷が見かけ上小さい場合にこれが助長される可能性が高い.しかし,有毒ガスの漏えい等が考えられるため,建物自体が健全であっても理工系建物への再入棟行動 (PEB) は不安全行動である.本研究では PEB 特性を明らかにするとともに,PEB 特性に即した防災教育の実装を試みる.大学の減災戦略や防災教育に資するだけでなく,化学物質を取扱う化学工場等の危機管理にも役立つ知見が得られるため,学術的・社会的貢献が可能な研究であると言える.
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研究成果の概要 |
本研究では,フィジカルリスクがある建物に関して,新たな概念である再入棟行動に及ぼす要因の探索および得られた知見の防災教育への展開に主眼を置いた.本研究で実施した2つのサブテーマから,次の成果を得ることができた:(1)再入棟行動の促進要因および阻害要因を定量的に明らかにした,(2)単独条件下では促進要因や阻害要因でなくても,条件が複合化することで再入棟行動促進要因になり得ることを見いだした,(3)再入棟行動時の選択的注意項目を明らかにすることができた,(4)不安全な再入棟行動を防止するための漫画教材を制作することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大地震発生前の準備行動や避難行動に係る研究は数多く発表されているが,一時避難後の行動についてはほとんど報告が無い.大地震直後に,フィジカルハザードが中にある建物へ再入棟することは,たとえ建物が健全であっても不安全行動である.本研究から,新たに提唱した概念である PEB に関して,再入棟行動に及ぼす要因を特定できただけではなく,この不安全行動を防止するための漫画教育教材を開発することができた.本研究で得られた知見は,地震に係る損失の低減に資することから,ここに社会的および学術的意義があると考えられる.
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