研究課題/領域番号 |
19K21761
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科, 名誉教授 (40159934)
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研究分担者 |
竹内 里欧 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (40566395)
椎名 健人 京都大学, 教育学研究科, 助教 (60838671)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 女性の生き方 / ビルドゥングスロマン / 連続テレビ小説 / NHK朝の連続テレビ小説 |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会(ポスト近代社会)においては、大人になることの意味が改めて問われるようになっている。本研究では、女性の生き方のモデルを提供してきた「朝ドラ」を素材として、「ビルドゥングスロマン(自己形成物語)」という視点から、男性を中心とする近代的な自己形成とは異なるもうひとつの自己形成のあり方について考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)を対象として、「女性の成長」がどのように捉えられてきたかを、ビルドゥングスロマンという視点から分析・考察した。 その中で、(1)女性の成長にとって、自立に向かう 内面的格闘よりも他者との関係性やネットワークの形成が重要な意味を持つこと (2)視聴者にとっては、主人公の成長を見守ることで自らの仕事や生活を肯定的に見直す(温める)機能があること (3)社会的な成功よりも自分の価値観や生きかたに自信をもつことが成長の核として描かれていることなど、現代社会における成長の意味を考え直す上で示唆的な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)男性を中心とする成長物語(ビルドゥングスロマン)とは異なるもうひとつの成長モデルとしての女性のビルドゥングスロマンという視点の新しさ (2)長期にわたって女性の生き方を描いてきた朝ドラを分析対象にすることによって、「女性の成長と自己形成」の変遷を社会的背景のなかで描出できること (3)ポスト近代社会における自己形成や「成長」の意味を新たな視点から探究したこと等が、学術的意義である。研究成果によって得られた知見は、現代社会における子どもの成長過程で経験する失敗やその乗り越えかた、他者との関係のつくりかたなどを見直し、教育への具体的な示唆につながることなどの社会的意義がある。
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