研究課題/領域番号 |
19K21781
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
島谷 康司 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (00433384)
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研究分担者 |
島 圭介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50649754)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | Drone / 姿勢制御 / 風船 / 歩行支援 / Light touch / 風船把持 / 不安定 / 特別支援学校 / 立位歩行支援 / 発達障がい児 / ドローン / 子ども / 不安定歩行 / 姿勢動揺評価 / 姿勢制御支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,Droneの紐を把持することによって子どもの姿勢制御能力を評価・支援するために,紐を把持した指先への体性感覚情報の“揺らぎ”解析や指先で把持したDroneによって起こるヒトの身体動揺とDroneの動態解析からDrone型立位姿勢制御モデルを構築し,その機序を解明する.また,子どもの歩行の不安定性に対する確立した歩行評価・支援方法が存在しないことから,Drone型立位姿勢制御モデルに基づいた姿勢制御支援システムを開発する.不安定姿勢制御の子どもに対する世界初のDrone型立位姿勢制御支援システムの構築を目指す.
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研究実績の概要 |
我々の研究グループは、無秩序に浮遊する風船を把持して静止立位を保持する代わり、ドローンを被験者の頭上でホバリングさせ、ドローンに取り付けた紐を把持させたときの静止立位の姿勢動揺低減効果を検証している(Shimatani,et,al.、2019)。これまでの研究成果として、浮遊風船・ホバリングさせたドローンによって指先からの体性感覚系フィードバックが可能であり、重心動揺を低減する姿勢制御支援玩具として利用できる可能性を示唆している。コロナ禍で小児実践現場での検証が制限されたことから、Drone(力点)と指先(作用点)との関係性(指先への力覚提示)が身体動揺に及ぼす影響を、①力覚の方向および②力点-作用点距離の違いを検証した。対象は、健常若年成人5名とした。①指先への力覚提示は、サーボモーター付きボビンを自作し、5gの力で上方向もしくは下方向に引っ張る条件、5gの錘を意図につるした条件、5gの浮力をもつ風船把持条件の4条件とした。姿勢動揺計測には、フォースプレート(TF-3040、テック技研社製、サンプリング周波数:5kHz)2 台を用いた。被験者には、隙間なく並べた2台のフォースプレート上に、目を閉じた状態でタンデム立位をとらせた。結果、力覚提示の方向にかかわらず、牽引力を指先に加えることによって姿勢動揺が低減する可能性が示唆された。さらに、②力点-作用点距離提示は、距離なし条件(5g物体を把持)、短距離(50cm糸を付けた5gの錘もしくは浮力をもつ風船)、長距離(100cm糸を付けた5gの錘もしくは浮力をもつ風船)の5条件とした。計測方法は力覚提示の実験と同様とした。結果、50㎝の2条件の姿勢動揺が低減したことから、適度な距離の力覚提示が姿勢制御に好影響を及ぼす可能性が示唆された。今後も、実践現場にて検証を進めるよう検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験室でのDroneによる姿勢制御の検証(Drone制御、姿勢制御検証)はおおむね順調に進んでいたが、コロナ感染症のため、子どもの実践現場における検証が進んでいない。一方で、この期間を利用して、Droneや風船などの浮力のような上方向の力覚提示のみではなく、重力方向の力覚提示による力覚方向の違いによる姿勢制御の影響、あるいは力点(Droneや風船)-作用点(指先把持部)距離の違いによる姿勢制御の影響を検証することができ、より実践現場を考慮した詳細な実験が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
本課題研究を延長申請をし、実践現場におけるDroneによる姿勢制御への影響を検証する。
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