研究課題/領域番号 |
19K21782
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
國宗 永佳 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (90377648)
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研究分担者 |
野瀬 裕昭 長野県工科短期大学校, 情報技術科, 教授 (60774940)
新村 正明 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20345755)
山本 樹 明海大学, 総合教育センター, 准教授 (30535266)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | プログラム動作 / 理解表出課題 / 誤答原因推定 / トレース課題 / プログラミング基礎概念 / 誤答分析 / プログラミング学習 / 初学者 / プログラム動作理解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,プログラミング初学者が基礎的概念をどのように誤って理解しているかを,「トレース課題」の誤答から明らかにする手法を開発する.トレース課題は,研究代表者らが提案する学習者のプログラム動作理解を表出するための課題で,学習者がプログラムの振る舞いをどのように理解しているかを確認することができる.トレース課題の解答には複数の基本的概念についての理解誤りが混在していることが多く,学習者による誤答の要因を分析することは困難である.本研究課題では,プログラミングの基礎概念に関する複合的な要因を含む学習者の理解状況の推定を実現することを目指している.
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研究実績の概要 |
2021年度には,2020年度に開発した複数の誤答要因によって起こる誤答の自動生成手法についての検証と修正を行った.この検証は自動生成手法によって生成された誤答と,実践から得られた誤答とを比較することで行った.2つの誤答要因の組み合わせによって,実践から得られた誤答(23問に対して364件)と同一の誤答を生成できることを見込んでいたが,結果的にはほとんどの誤答と一致しない誤答が生成された. 実践から得られた誤答と生成した誤答の相違点を確認した結果,これまでに検討してきた誤答要因以外にも多く含まれる理解誤りの要因があることが分かった.また,364件中101件が,これまでに検討してきた誤答要因とは異なる,プログラム動作の理解誤りに起因しない要因(入力誤りなどに起因する)を含むことも分かった.前者については,要因が多岐にわたることは想定できており,研究計画段階で判明していた頻出する誤り要因に対応することにしていた.また後者についても,入力誤りなどに起因する誤答が含まれることは研究計画の時点で判明していたため,研究計画の中でこのことに対応する誤答要因分析手法の開発をこの後の研究課題として計画していた. 当初計画では,2021年度後半に上記の結果に対応した類似度算出による誤答要因分析手法についての研究を行う予定であったが,現在までの進捗状況にも記載の通り,研究の進捗状況がやや遅れているため,2022年度に研究期間を延長して対応する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に示したように,2021年度には複数の誤答要因によって起こる誤答の自動生成手法についての検証・修正と,類似度算出による誤答要因分析手法についての研究を実施する予定であった.しかし,コロナ禍における研究代表者・分担者の業務負担増などの影響と,手法を実現するプログラムの修正に計画以上の時間を要した. そのため,当初計画では2021年度後半に実施する予定であった誤答要因分析手法についての研究を実施できなかった. よって,進捗状況としては当初計画に比べてやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に示したように,当初計画のうち誤答要因分析手法についての研究について着手できていない.既に研究期間の延長を申請し認められているため,2022年度にこの研究を実施する. 研究実績の概要に示した問題点について,本分析手法である程度の解決ができることを見込んでいるが,芳しい結果が得られない場合には,誤答要因をさらに多く組み合わせる手法や,誤答要因の追加についても検討する.
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