研究課題/領域番号 |
19K21791
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
山内 豊 創価大学, 教育学部, 教授 (30306245)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 小学校英語 / 音声学習 / シャドーイング / 自動評価 / AI / 小学校 / 英語教育 / 音声 / 評価 / システム開発 / 教材 / 音声情報技術 / 小学生 / 英語 / 外国語 / ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
聞こえてくる音声を即時に口頭再生するシャドーイングは,英語特有の発音やリズム・イントネーションの習得を促し,音声言語処理を高速化させ,即応的なコミュニケーション能力を高められると期待される一方、小学生には難しいと考えられ,小学校では今まであまり行われてこなかった。本研究では、小学生が楽しく取り組めて、英語の実力がつくように,①興味・関心のもてる平易な英文を厳選し,②写真や絵などの視覚情報を同時提示し,③自動評価機能でフィードバックし,④ゲーム展開機能を盛り込んだ、新しいシャドーイング練習・評価システムを開発する。
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研究実績の概要 |
児童がモデル音声をリピーティングやシャドーイングしたり,音読した英語音声を客観的に評価するには,録音された音声を繰り返し聞きながら,発音やリズム等の観点別に評点して合計したり,口頭再生できた割合を算出したりなど,多大な手間と時間を要する。このため音声課題を出して毎回評価してフィードバックする活動を日常の授業に取り入れるのは難しい。 手動評価する手間と時間を解決するため,近年発達の著しいAI(人工知能)による深層学習と音声工学技術(speech technology)を活用して,児童の英語発話をコンピュータが自動的に音声認識して分析・評価するシステムを開発した, 開発過程としては,英語教育学と情報科学と音声工学の専門家と小学校教員と教育委員会が学際的なチームを結成し,小学校英語の音声評価のニーズ分析を行った。この分析結果に基づき,開発するシステムの仕様,サーバなどの必要な機器を決定した。プロトタイプを作成し,試用テストを実施し,不具合の修正を行った。 開発システムの特徴として,教員が担当するクラスの児童に適したレベルのモデル音声,音声スクリプト(原稿),言語表現の仕様場面を示す画像情報などをシステムの教材バンクに入力する。児童はシステムにログイン後,教員が指定した課題をイヤホンマイクで音声練習し,録音音声はサーバに送られる。サーバ内のAIと音声工学技術による評価アルゴリズムで自動評点され,児童と教員にフィードバックされる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学校の教育現場で,新型コロナウィルスの第9波や第10波の蔓延に加えて,インフルエンザやはしかなどの感染症の重層的な流行が収まらず,学級閉鎖などが相次ぎ,予定していた小学生からの学習者音声データの収集に支障をきたしたため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した自動評価システムを,小学校現場で使いやすいように,データーベス化と学習履歴において改善する。 具体的には,担当教員と担当クラスの児童のIDやパスワードを,セキュリティに配慮しながらデーターベース管理する。 学習履歴については,児童は自分が遂行した音声学習課題を課題完了直後に閲覧し,グラフ化された自動評価得点の推移から,自分自身のシャドーイングがモデル音声にどれだけ近くなっているかという観点から,自分の音声発話力の伸長を客観的に把握できるようにする。これにより,児童の英語音声練習に対する動機づけと学習継続性を高めることができる。 一方,教員は担当クラスの児童が提示した課題をどれだけ完了しているかを一覧でき,各学習者の学習履歴を閲覧して学習者音声を再生したりダウンロードできる。このため,教員は担当児童の進捗を正確に把握し,つまづいている点を明確にし,今後の授業で指導すべき箇所を考慮しながら進めていくことができる。
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