研究課題/領域番号 |
19K21796
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
尾嶋 史章 同志社大学, 社会学部, 教授 (30177224)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 教育の経済的便益 / 疑似パネルデータ / コーホート比較 / 教育の経済的効用 / 生涯所得 / 疑似コーホート分析 / コーホート / 学歴 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究では、公的統計から出生年を基準に各学歴の年齢別所得の変化を追える「疑似パネルデータ」を作成して、このデータから、出生年ごとの学歴別生涯所得を推計する。この推計結果を用いて、戦後日本における教育の経済的効用の変化と経済・社会変動との関係を検討する。これまで1時点の調査データから推計されていた生涯所得を、個人の加齢や時代の変化に対応した学歴別の生涯所得として把握できるようになり、より「現実に近い」生涯所得を用いて学歴の影響を分析することが可能になる。
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研究成果の概要 |
本研究は、生涯所得として求められる教育の経済的便益を個人のたどる経歴に沿って測定することを試みたものである。これまでの研究は、クロスセクショナルなデータを用いてある時点での教育の経済的便益を把握してきた。本研究はクロスセクショナルに同じインターバルで行われてきた調査データを疑似パネルデータ化することによって、出生コーホートに基づく教育の経済的便益を推定した。クロスセクショナルなデータでは、教育の経済的便益に変化がみられる。疑似パネルを使ってみると、コーホートによって時代の効果が相殺され、1950年から1960年代に生まれたコーホートでは、教育の経済的便益は均等化していることが推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで日本では個人の所得経歴データは存在しないため、個人の所得経歴に基づく学歴の経済的効用を検討することはできなかったが、クロスセクショナルなデータを加工することにより、新たな知見が提供でした。疑似パネルを用いた手法は、日本でも行われている例が見られるが、所得について援用した研究はみられず、これまでの学歴の経済的効用を異なる視点から理解する基盤を提供できた。
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