研究課題/領域番号 |
19K21811
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
溝口 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70402568)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ギャンブル障害 / モデルベース / モデルフリー / 意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
意思決定に必要な習慣的システムと目的指向的システムは連続的、並列的な関係で、どちらかの能力が劣っているわけでもない。げっ歯類の脳内でのシステム間連係を計算論的に表現できれば、高次脳機能の理解に繋がるものの、基礎研究において、システム間バランスに注目した意思決定研究は少ない。また、システム間バランス異常に関与する責任脳領域は不明であり、それを打破する策として、精神疾患モデル動物を用いることで、明らかになると考える。本研究では、ギャンブル障害モデル動物を用いて、意思決定システム間バランスを評価する行動試験の開発・発展と情報処理システムの解明に挑戦する。
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研究成果の概要 |
依存症患者では、適切かつ柔軟な意思決定を行う情報処理システムの協調的バランスに障害がある。しかし、ギャンブル障害研究において情報処理システム間のバランス破綻に着目した報告は少なく、そもそも適切なモデル動物もない。本研究では、ギャンブル障害関連遺伝子を遺伝学的に操作することで、機能障害モデル動物を作製し、げっ歯類を対象とした情報処理システムを評価する新規行動試験の開発とパラメータ推定に挑戦した。ギャンブル障害モデルになり得る候補モデル動物の作製を行い、またパラメータ解析のモデル化も進んだ。しかし、行動のモデルフィット化については今後の検討課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、線条体の神経(間接路)の機能的異常を起こすことで意思決定異常を示すギャンブル障害モデル候補ラットの作成と、SARSA(λ)、時間差(TD)アルゴリズムを使用したモデル化と、シミュレーションプログラムを作成することができた。強迫障害患者や依存症患者は、習慣的システム優位に選択行動するというシステム間のバランス異常が生じていることが分かっているが、脳領域や神経回路の破綻が、精神疾患患者で見られる意思決定異常やシステム間のバランス異常を誘発するかどうかは分かっていない。それゆえ、本研究成果はこれら脳機能障害の解明に向けた実証モデルとして有効かもしれない。
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