研究課題/領域番号 |
19K21814
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋木 潤 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60283470)
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研究分担者 |
上田 祥行 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (80582494)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 文化間比較 / 視覚認知 / 視覚探索 / 文字認識 / 視覚的景観 / 画像解析 / 機械学習 / ライフロギング |
研究開始時の研究の概要 |
人間の視覚認知特性の文化間の差異は、視覚環境との長期にわたる相互作用によって生じた認知変容といえる。しかし、そのメカニズムを実証的に解明することは困難を極める。本研究は、DNNなどの最新の機械学習が人間の長期の視覚経験に匹敵する量のデータの学習と見なせることに着目し、人間の長期経験を反映した画像セットとDNNによる学習を組み合わせることで長期経験による認知変容の過程を実証的に検討することを目指す。これと並行して、人間が画像情報の如何なる特徴を用いているのかを統計的に解析することにより、単なる機械学習によるシミュレーションを越えて、理論的な説明原理を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
視覚認知の様式に文化差があることが明らかにされてきたが、この背後にあるメカニズムは不明である。長期にわたる経験の効果を心理実験で解明することは困難であり、これを補完する手法として本研究では、視覚経験を反映したデータセットを用いた計算機シミュレーションを行った。具体的には視覚探索における文化差が用いている文字と注意の範囲の違いによって説明できることを明らかにした。また、街中の風景の違いが視覚認知に与える影響を検討するための大規模な画像データセットとその予備的解析を実施した。さらに心理実験により短期間の視覚経験のみでは視覚認知の文化差を説明できないことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文化比較研究は人間の認知が長期経験により多様性を持つことを示してきたが、多様性を生み出すメカニズムを明らかにするための研究の方法論を提示したという学術的意義を持つ。実験と構成的手法を組み合わせることで文化による認知の変容を説明できる理論の構築が期待できる。また、文化的多様性に配慮した環境デザインや製品開発を進めていくための人間の特性に関する基礎データを提供するという社会的意義を持つ。
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