| 研究課題/領域番号 |
19K21815
|
|---|
| 研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
| 配分区分 | 基金 |
|---|
| 審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
|
|---|
| 研究機関 | 京都大学 |
|---|
研究代表者 |
畑中 千紘 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (30532246)
|
|---|
| 研究分担者 |
梅村 高太郎 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10583346)
河合 俊雄 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (30234008)
吉川 左紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 特定教授 (40158407)
田中 康裕 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40338596)
杉原 保史 京都大学, 学生総合支援機構, 教授 (50226453)
粉川 尚枝 京都大学, 人と社会の未来研究院, 特定助教 (90828823)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
|
| 研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
| 配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
|---|
| キーワード | SNS相談 / LINEカウンセリング / 心理相談の技法 / 心理相談の理論的基盤 / トピック分析 / チャットカウンセリング / コロナ状況下での心理反応 / SNSカウンセリング / 相談員の専門性 / LINE相談 / トピックモデル / カウンセラーの専門性 / 心理支援 / 企業における心理相談 / 地域支援 / オンライン相談 / 心理相談 / 心理療法 / 機械学習 / 自殺・いじめ予防 |
|---|
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ソーシャルネットワーキングサービス（SNS）を用いた心理支援システムについて、専門的技法と機能的運用ルールおよび理論的基盤の構築を行う。相談事業のログデータの数量的分析を通して、実証的かつ臨床的な視点から利用者の特性・利用実態と課題を明らかにし、SNS相談の潜在的ニーズを掘り起こす。さらに事例を臨床心理学的に評価し、高評価事例と低評価事例の双方の分析からカウンセラーの専門的技法を整理・抽出してSNS相談の意義と限界を明らかにする。
|
| 研究成果の概要 |
本研究では匿名化された約1000例のSNS相談データを認知科学的手法を用いて分析し、臨床心理学的視点から解釈と検討を行った。その結果、相談員が安定した感情価を保ち続けることで相談者がポジティヴな感情価にふれていく傾向が明らかになった他、低評価事例では相談員が相談の主要なトピックを捉え損ねている可能性も示唆された。
コロナ禍でのSNS相談窓口に寄せられた相談データ（匿名化済）の分析の結果「心理的不安」は一般的に3ヶ月ほどで収まりを見せ、現実状況とのギャップが生じてくることが明らかとなった。継続相談では始まりがコロナ関連であっても次第に個人的話題にトピックが移動していくケースで改善が多く認められた。
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、急速に社会実装されたために専門家の参入が遅れ、相談技法や理論的基盤が未整理となっているSNS相談領域において、匿名化された実際の相談データをもとにして実践的・臨床的な理論と技法の開発を行ったことに社会的意義が認められる。
心理カウンセリング・心理療法の効果についてはこれまでカウンセラーの記録を元に行われることが主であったが、本研究ではセッション記録がそのままログデータとして残るSNS相談の特徴を生かし、機械学習をはじめとする最新の認知科学的方法論と、臨床心理学・社会心理学の観点を合わせて分析をしたことで心理相談の効果や限界を明らかにした点で学術的な意義も認められるだろう。
|
