研究課題/領域番号 |
19K21816
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 俊雄 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (30234008)
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研究分担者 |
梅村 高太郎 京都大学, 教育学研究科, 講師 (10583346)
畑中 千紘 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (30532246)
田中 康裕 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40338596)
粉川 尚枝 京都大学, こころの未来研究センター, 特定研究員 (90828823)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心理療法 / レジリエンス機能 / 効果研究 / メタ分析 / 国際比較研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では経験ある心理療法家から300以上の事例を収集し,パイロットスタディから得られた指標に基づいたメタ的な分析を行う。そして偶然の出来事なども含めて,来談者の変化の契機となった要因について複合的な視点から検討する。 さらに最終年度には国際比較を行うことで,心の回復機能の文化差についても明らかにする。東日本大震災後に日本人のレジリエンスのあり方に注目が集まったが,個人と集団の関係性や,社会が個人に要請する主体性の強度などには文化差があることが推測される。それゆえに個人の心の回復が周囲にいかに波及するかなど,文化に特有の心の回復機能を見出すことができると考えられる。
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研究成果の概要 |
近年,心理療法の領域でもエビデンスが重視される傾向を受け,本研究は心理療法において生じる心のレジリエンス機能の解明を試みた。心理療法事例のメタ的分析からは,心の変化のプロセスと要因が実証的に示された。更に,心理症状を呈する事例と身体疾患患者の事例との間には,異なるレジリエンスのあり方が可視化された。また,コロナ禍での調査により,災害時のショック状態からの回復を超えた心の成長可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,心理療法の効果要因研究としての学術的意義に加え,心理症状の消失を超えて,来談者の現実的な適応や,身体疾患患者の心の回復・変容といった,多様な心のレジリエンス機能が,心理療法において生じることの実証に繋がった。また,コロナ禍において,個人の人生に新たな動きが生じやすくなっている可能性が示されたことは,社会的危機状況からの回復に向けても有効な示唆であり,本研究の社会的意義と考える。
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