研究課題/領域番号 |
19K21822
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
茂木 一孝 麻布大学, 獣医学部, 教授 (50347308)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | デタッチメント / 視床室傍核 / 前頭前皮質 / オキシトシン / 社会性発達 / 母子関係 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類では母と子の結びつきであるアタッチメントの違いが子の心の発達に影響することよく知られている。一方、離乳時期には母とのデタッチメントが必ずあり、子の無視や子への過干渉などの違いがみられる。本課題では母マウスが子マウスから離れる状況で活性化する前頭前皮質―視床室傍核神経回路に着目し、この回路がデタッチメントを制御する神経回路であること実証する。またこの神経回路の人為的操作などによって子マウスを無視、また過干渉をする母マウスを作出し、それらに育てられた子マウスの社会性発達を追跡する。デタッチメントの違いが子の社会性発達にどのような影響を及ぼすのか、神経メカニズムまで含めた体系的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
離乳時期に母と子が離れる「デタッチメント」の神経メカニズムと、デタッチメントスタイルの社会性発達への影響を明らかにすることを目的とした。視床室傍核での、養育行動を促進するオキシトシン神経系からの抑制的調節と、ストレスなどの外部環境情報を統合して行動を調節する前頭前皮質からの促進的入力のバランスが、デタッチメントを制御するメカニズムの一つであることが明らかとなった。デタッチメントスタイルと社会性発達の関連は今後の課題として残された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母と子の結びつきである愛着「アタッチメント」の神経メカニズムや、アタッチメントスタイルの違いが子の社会性発達に及ぼす影響に関しては、これまでも多くの研究がある。本研究から、離乳時期に母と子が離れる「デタッチメント」の神経メカニズムの一端が初めて明らかとなった。今後本研究で確立した母マウスのデタッチメント行動の人為的操作法を用い、離乳時期に母から無視されて親離れする場合や、逆に母が子に過干渉な場合での子マウスの社会性発達を解析できれば、デタッチメントスタイルに起因すると考えられる子の社会性発達に関わる諸問題解決の糸口となることが期待される。
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