研究課題/領域番号 |
19K21826
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分11:代数学、幾何学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 北海道大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
吉永 正彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90467647)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マグニチュードホモロジー / 距離空間 / マグニチュード / ポセット / グラフ / 順序集合 / 圏化 |
研究開始時の研究の概要 |
距離空間のマグニチュードは「実質的な点の数」を数学的に定式化した概念で、数理生物学における種の多様性を測る概念として、実質的に同じものが定式化されているなど、応用上も重要な概念である。最近導入されたマグニチュードホモロジーは、マグニチュードの背後にある幾何学的・代数的な構造をとらえた画期的な概念である。本研究では、マグニチュードホモロジーの精密化である「相対マグニチュードホモロジー」を導入することで、マグニチュードの理論の基礎づけから応用を目指した研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、マグニチュードホモロジーの新しい解釈を導入し基本的な性質の研究を行った。すなわち、距離空間の時空に因果関係から定まる順序を定め、この順序集合の区間の順序複体の商空間として「マグニチュードホモトピー型」という空間を定めた。マグニチュードホモトピー型の被約ホモロジー群はマグニチュードホモロジーと一致する。 マグニチュードホモトピー型は、距離空間に対する経路空間を定式化したものと考えることもできる。マグニチュードホモトピー型に離散モース理論を適用することで、Mayer-Vietoris型定理など既存の結果の別証明を得、距離空間のある種のひねりに対するマグニチュードの不変性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、距離空間の時空の因果関係から定まる順序集合の順序複体、という新しい観点から「マグニチュードホモトピー型」を導入し、その空間に離散モース理論を適用することでマグニチュードホモロジーの基本的な性質を調べた。マグニチュードホモトピー型は、距離空間版の「経路空間」とみなすことができ、マグニチュードは「距離空間の経路空間上のオイラー標数積分」と解釈できる。 マグニチュードは距離空間の大まかなサイズを測る不変量で、ビッグデータを扱う際にも有用な概念であることが期待されている。本研究はマグニチュードを統制する幾何学的構造の研究であると位置づけられる。
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