研究課題/領域番号 |
19K21837
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大串 研也 東北大学, 理学研究科, 教授 (30455331)
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研究分担者 |
今井 良宗 東北大学, 理学研究科, 准教授 (30435599)
青山 拓也 東北大学, 理学研究科, 助教 (80757261)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | キタエフスピン液体 / キャリアドーピング / 電荷整列 / ソフト化学法 / 高圧合成 / 強相関電子系 / 金属絶縁体転移 / 電荷秩序 / インターカレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、ソフト化学的手法によるキタエフスピン液体RuCl3へのキャリアドーピング系の開発と、高圧合成法による新キタエフスピン液体物質の探索を実施する。特に、キャリアドーピング系におけるモット転移と異方的超伝導の観測と、未だ実験的に捉えられていない局在マヨラナ粒子に関する情報を獲得することに挑む。これらの研究を通して、キタエフスピン液体の学理構築へ貢献することを目的とする。
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研究成果の概要 |
固体化学的手法を駆使することで、キタエフスピン液体の周辺に位置する新物質を開発した。高圧合成法により、新物質RuBr3およびRuI3を合成した。RuBr3およびRuI3は、それぞれキタエフスピン液体および強相関半金属に近い電子状態をとることを明らかにした。これらの固溶体は、バンド幅制御型のモット転移を示すことも明らかにした。ソフト化学法により、RuCl3のキャリアドープ系を開発した。この新物質において、電荷整列による金属絶縁体転移が生じること、母物質で見られた磁気秩序が抑制されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キタエフスピン液体におけるマヨラナ励起は、量子コンピュータに応用することができる。本研究により得た新物質の電子状態を、微視的観点からさらに深く理解することで、より理想的なキタエフスピン液体を具現し量子コンピュータへ応用することへ前進することができる。また、本研究により得た新物質開発の指針は固体化学分野へ波及効果があり、その指針を採ることで将来さらなる新物質が生み出されることが期待される。
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