研究課題/領域番号 |
19K21838
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺内 正己 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30192652)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 3d遷移金属元素 / 軟X線発光分光 / 価電子状態 / スピン状態 / 3d遷移金属元素 / L発光スペクトル / 価数状態 / L発光 / イメージング / 酸化状態 |
研究開始時の研究の概要 |
高出力・大容量2次電池やリラクサー強誘電体などの機能と直結している3d遷移金属元素の酸化状態・スピン状態を調べるため、物性を担っている結合電子の状態を直接計測する軟X線発光分光を用いた、3d電子状態のイメージング手法の開拓を目指す。 本研究期間においては、現有の軟X線発光分光器を改造して分解能を向上させ、遷移金属L発光の高分解能計測から酸化状態・スピン状態の計測が可能であることを示すことが目的である。これが可能となれば、汎用のスペクトルマッピング電子顕微鏡に装着することで、3d遷移金属元素の酸化状態・スピン状態マップ計測法が可能となる。
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研究成果の概要 |
高出力・大容量2次電池やリラクサー強誘電体の機能と直結する3d遷移金属元素の酸化状態・スピン状態の実空間分布の計測手法開拓を目指し、軟X線発光分光法(SXES)と電子顕微鏡法を組み合わせた測定装置の製作と基礎的応用を行った。 (1)汎用装置の2倍の解像度を目指した装置の設計・試作を行い、2.2倍の解像度を有するSXES装置の製作に成功した。 (2)Mn酸化物、Fe酸化物、Cu酸化物の系統的なL発光測定とその比較から、価数変化に伴うLαピーク位置シフトが検出可能であり、かつ、磁気モーメントの大きなMnOやFe酸化物のLl発光ピークにはスピン軌道相互作用に起因する肩状構造の検出を可能とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会を豊かで持続可能なものにするためには、高機能マテリアル開発のスピードアップが必須である。そのためには、合成物質の高精度な評価のハイスループット化とその合成プロセスへのフィードバックが必要不可欠である。開発を目指している新たな顕微SXES手法による価数状態・スピン状態分析技術は、世界でいまだ開拓されていない分析技術分野である。また、これまでにないナノとマクロの中間的空間スケールでの分析技術という特徴を有する。これを実現して社会へ普及させることで、機能性材料開発のスピードアップに貢献できる。
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