研究課題
挑戦的研究(萌芽)
スカーミオンとは連続場中のトポロジカル欠陥であり、2009 年にカイラル磁性体 MnSi のスピンテクスチャーとして観測され磁性物理学の中心的課題の一つとなった。これまで知られている磁気スカーミオンは古典論の範囲で熱力学的に説明できる。本研究で我々は純粋に量子力学的な準粒子としての量子スカーミオンを探索する。この課題は 、新奇な非自明トポロジカル準粒子の探索という大きな意味を持つ。探索には極限まで制御された極低温磁場環境下での超高エネルギー分解能中性子非弾性散乱が必要になるが、本研究で開発される実験技術は他の量子スピン系における新奇準粒子発見に強力な技術となることも期待される。
スカーミオンとは連続場中のトポロジカル欠陥であり、2009年にカイラル磁性体MnSiのスピンテクスチャーとして観測され磁性物理学の中心的課題となった。磁気スカーミオンはトポロジカルに保護された構造であり、基礎物理学から情報伝達応用まで広い範囲で注目を集め精力的に研究が進められている。本研究で我々は量子スカーミオンの探索を提案し絶対零度でスカーミオン相を形成する量子磁性体の探索を行なった。Ce3+やYb3+を含む遍歴量子磁性体を中心に多数の物質の合成・バルク磁性測定から中性子散乱測定までを系統的に行い、六方晶Yb金属間化合物中に絶対零度近傍でのtriple-q 構造形成を発見する等の成果を得た。
磁気スカーミオンは磁性物理学からデバイス応用までの広い観点から精力的に研究されている。当初磁気スカーミオンは反転対称性の破れた系で観測されてきたが、最近では反転対称な系でも観測されるなどますます普遍的に見られている。一方で、それらのほとんどは有限温度で観測される熱揺らぎ起源と考えられている。本研究で我々が発見した絶対零度近傍での triple-q 構造形成は、過去に観測された例が少なく新規なものと考えられる上に、これまで知られている熱揺らぎ起源の磁気スカーミオンとは本質的に異なる可能性があり、この発見の学術的意義は大きいと考えられる。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 6件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 19件、 招待講演 10件)
Journal of Physics: Conference Series
巻: 2461 号: 1 ページ: 012015-012015
10.1088/1742-6596/2461/1/012015
巻: 2461 号: 1 ページ: 012009-012009
10.1088/1742-6596/2461/1/012009
Physical Review B
巻: 106 号: 10 ページ: 104406-104406
10.1103/physrevb.106.104406
巻: 105 号: 4
10.1103/physrevb.105.l041112
Jounal of the Physical Society of Japan
巻: 90 号: 12 ページ: 123703-123703
10.7566/jpsj.90.123703
210000159466
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 90 号: 2 ページ: 025003-025003
10.7566/jpsj.90.025003
210000158822
Journal of Physics: Condensed Matter
巻: 32 号: 41 ページ: 415801-415801
10.1088/1361-648x/ab9343
J. Phys.: Condens. Matter
巻: 32 号: 41 ページ: 415802-415802
10.1088/1361-648x/ab997d
巻: 89 号: 9 ページ: 094704-094704
10.7566/jpsj.89.094704
巻: 32 号: 48 ページ: 485801-485801
10.1088/1361-648x/aba921
Physical Review Research
巻: 2 号: 4 ページ: 043121-043121
10.1103/physrevresearch.2.043121
Physical Review Materials
巻: 3 号: 10 ページ: 104408-104408
10.1103/physrevmaterials.3.104408