研究課題/領域番号 |
19K21842
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山下 穣 東京大学, 物性研究所, 准教授 (10464207)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 超低温測定 / 熱膨張率 / 強相関電子系 / 超低温 / 磁歪 |
研究開始時の研究の概要 |
科学研究において、より低温の環境では物質の持つ量子力学的な性質が顕著に出るため、可能な限り低温までの研究が重要である。本研究は固体中の電子の研究を未踏の超低温領域(~1mK)まで拡張するため、固体物性の最も基本的物理量である比熱測定に着目し、現時点での問題(温度計、熱接触、不純物の影響)を克服するため、比熱に比例する物理量である熱膨張率測定を超低温まで行うことに挑戦する。熱膨張率は相転移などの変化に敏感な測定手法であり、本研究によって今まで不可能であった超低温領域における未知の秩序相探索を可能にする。
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研究成果の概要 |
本研究は市販の希釈冷凍機で到達可能な温度より低温の超低温領域(~1mK)まで強相関電子系研究を拡張するための測定技術開発を目的とした研究である。本研究によって超低温度まで測定可能な熱膨張率測定セルが完成した。超伝導体CeCoIn5を用いたテスト運転によってその超伝導転移の明瞭な観測に成功した。今後、様々な物質の測定への展開をすすめる。並行して超低温度までの電気抵抗測定に挑戦し、低温アンプを用いることでYbRh2Si2の超低温度までの電気抵抗測定を実現し、超伝導転移によるものと思われる電気抵抗の減少を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
科学研究においてより低温までの研究を行う事は熱揺らぎに隠れていた物質の本質的性質を明らかにするためには必須である。市販の冷凍機で達成可能な温度より低温の超低温領域(~1 mK)での実験には様々な実験的困難があってこれまでほとんど行われてこなかったが、本研究成果によって熱膨張率の超低温測定が実現したことで相転移をはじめとする様々な熱力学量の測定が可能になった。これは、様々な物質における超低温測定につながる成果である。
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