研究課題/領域番号 |
19K21848
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今元 泰 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80263200)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光遺伝学 / オプトジェネティクス / レチナールアナログ / 脱分極 / 膜電位 / 光反応サイクル / 共役二重結合系 / ロドプシン / チャネルロドプシン / 共役二重結合 / オプシンシフト / 光操作 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は情報源やエネルギー源として可視光を用いているが、可視光は組織透過率が低く、細胞に損傷を与える可能性があるため、赤外線を用いる方が望ましい。実在の生物が赤外線を利用しない理由として、赤外光の光子が持つエネルギーが弱いため、細胞の機能性分子である蛋白質を駆動することが出来ない可能性が考えられる。そこで本研究では、細胞操作の蛋白質ツールとして広く用いられているチャネルロドプシンを、人工の化合物の助けをかりて赤外線リモコンに用いられている赤外線LEDで駆動することができるかどうかの実証実験を行う。
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研究成果の概要 |
赤外線で細胞を操作することを目的として、近赤外光で駆動するチャネルロドプシンの創製を試みた。長波長シフトしたチャネルロドプシンのバリアントであるChrimsonRやReaChRに共役二重結合系を延長したレチナールアナログを発色団として導入することで、天然に存在するものよりも長波長シフトしたチャネルロドプシンが生成した。効率よく色素が生成したReaChRアナログの光反応サイクルを時分割紫外可視分光によって詳細に検討したところ、イオン透過状態と考えられる中間体が生じるアナログ色素を見出すことができた。電気生理学的測定により、このアナログ色素によって細胞膜に光電流が生じることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経細胞の興奮や抑制を光で制御できるオプトジェネティクスは、生物学全般で欠くことのできない技術となっている。一般的なチャネルロドプシンは青色光に最も感受性が高いが、青色光は組織での拡散・吸収や細胞の損傷などを引き起こす可能性があるため、非侵襲的な赤外光で駆動できるチャネルロドプシンの開発が望まれている。本研究では人工的に共役二重結合系を延長したレチナールアナログを発色団として用いることで、長波長シフトしたチャネルロドプシンが生成し、細胞に光電流を発生させることができることを示した。本技術をさらに改良することで、細胞を赤外線リモコンで制御することも可能であると考えられる。
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