研究課題/領域番号 |
19K21850
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新見 康洋 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (00574617)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | グラフェン / ナノリボン / トポロジー / スピンフィルタ / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、グラフェン1次元鎖(ナノリボン)に生じる「グラフェン端状態」を用いて、スピントロニクスにこれまでなかったスピンフィルタ機能を実現する。これにより、スピントロニクスにスピン抽出というこれまでになかった機能を付与できる。さらに、物性物理の基本問題である1次元強磁性鎖を初めて実証できる。本研究課題が達成されれば、スピントロニクス及びトポロジー物理の分野に新潮流を作り出すことができる。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、これまでスピントロニクスになかった「スピンフィルタ機能」を、グラフェン1次元鎖(ナノリボン)で実現することを目的とした。端がジグザグ型の場合、両端でスピン偏極するため、これを利用することでスピンフィルタの機能を付与できる。まず、酸素及び水素プラズマをグラフェンに照射することで、ジグザグ端ナノリボンの作製を目指したが、高分解能原子間力顕微鏡を用いないと、グラフェンの端状態を確かめられないことが分かった。そこで、グラフェン全体に電極を取り付けて磁気輸送測定行ったところ、プラズマ照射時間の増加とともに、弱局在効果によるゼロ磁場付近の磁気抵抗増大が観測された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今後は幅100 nm以下のグラフェンナノリボンの作製、さらには電界効果を用いて、スピンフィルタ機能を付与したデバイスの作製に挑戦する。同様の機能は「電界効果スピントランジスタ」としてダッタとダスが提案しているが、未だ実現できてない。グラフェンナノリボンでスピンフィルタを実現できれば、1次元フラットバンド強磁性という未だ実証されていない物性物理の基本問題に答えるだけでなく、スピン抽出という新機能をスピントロニクスデバイスに付与できる。
|