研究課題/領域番号 |
19K21854
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 琢哉 東京工業大学, 理学院, 教授 (40451885)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | ラマン散乱 / 円偏光 / フォノン / マグノン |
研究開始時の研究の概要 |
ラマン散乱分光法は1928年の発見以来、結晶の構造、結晶を構成する原子間やイオン間の相互作用について知見を得る上で不可欠な手法であり、赤外分光法と相補的な関係にある。しかし、直線偏光を用いたラマン散乱分光法では、磁性体・誘電体結晶中のスピン波(マグノン)や格子振動(フォノン)の振動モードを探索・同定することが困難である場合も多い。 本研究では、磁性体・誘電体結晶中のマグノンやフォノンの振動モードを、円偏光を用いたラマン散乱分光法によって探索・同定する。
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研究成果の概要 |
フェリ磁性体YIGにおける光学マグノン(Kaplan-Kittel交換共鳴モード)を円偏光ラマン散乱を用いて観測し、その周波数の温度依存性を精密測定した。その結果から、交換相互作用定数を正確に決定した。 さらにマルチフェロイック物質BiFeO3においての円偏光ラマン散乱測定を行い、これまで未確定であった、フォノンのモード同定を行った。また、各フォノン周波数の温度依存性を測定し、スピン・フォノン結合の可能性について考察した。 以上の結果から、円偏光ラマン散乱によって、直線偏光ラマン散乱だけでは得られなかったモードや、モード同定を達成できたといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光を用いたラマン光学活性(ROA)は以前から知られていたが、その効果は小さく、また適用できる対象物質はキラル物質等に限られていた。円偏光ラマン散乱をモードの同定として用いるという本研究手法は原理が単純明快であり、幅広く様々な結晶に対して適用可能であるため、フォノンやマグノン振動モードの解析、マグノン探索において極めて強力な手法となるであろう。
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