研究課題/領域番号 |
19K21858
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
望月 維人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80450419)
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研究分担者 |
勝藤 拓郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00272386)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 負熱膨張現象 / ハニカム格子反強磁性体 / 交換相互作用 / 磁気体積効果 / 磁気相転移 / 逆ペロフスカイト型マンガン窒化物 / スピン-格子結合 / 反強磁性秩序 / スピンー電荷結合 / 電気磁気相互作用 / 交差相関応答 / 負熱膨張 / ハニカム格子 / 反強磁性体 / 磁気格子結合 / 熱体積効果 / 強相関電子系 / モリブデン酸化物 / 軌道自由度 / 多軌道d-pモデル / 逆ペロフスカイト構造 / マンガン窒化物 / フラストレーション / 電子相関 / 磁性 / 格子自由度 |
研究開始時の研究の概要 |
通常の物質と異なり,温度降下により体積が膨張する「負熱膨張物質」は、体積変化が致命的となる光学・精密機器の発展に伴い,近年重要度が増している。しかし、その物理的起源には謎が多く、系統的かつ戦略的な物質開拓が行われていない状況である。本研究では、固体中の磁性と格子、軌道自由度の結合に由来する巨大な熱体積効果を示す物質を理論的に設計し、実験と連携して新物質の開拓と熱体積機能の劇的な向上を目指す。
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研究成果の概要 |
温度降下による磁気相転移に伴い結晶体積の膨張を引き起こす「磁性誘起負熱膨張物質」の物質探索の指針を理論的に設計し、物質合成との連携により新しい巨大負熱膨張物質の発見を目指した。特に、MX6八面体(Mは遷移金属イオン、Xは配位子イオン)の稜共有構造で構成される遷移金属ハニカム格子化合物において、反強磁性秩序に伴う巨大な負熱膨張現象の発現を理論的に予言した。また、その磁性誘起負熱膨張の普遍的な物理的起源を明らかにした。ここで明らかにした物質設計指針に基づき、ハニカム格子反強磁性体のデータベースを検索し、実際に反強磁性転移に伴う負熱膨張を発現する新しい負熱膨張物質を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度降下に伴い結晶体積が膨張する負熱膨張物質と、通常の(温度降下により結晶体積が収縮する)物質とを複合させると、それぞれの体積膨張と収縮が相殺し、温度が変わっても体積や長さが変化しにくい材料を作ることができる。昨今、ますます精緻化してきている光学素子、計測機器、精密機械の製造において、このような材料への要請が高まっていおり、精力的にその研究が進められている。本研究では、磁気転移に伴う負熱膨張現象の物質設計・探索の新しく普遍的な指針を示し、それに従って新しい負熱膨張を見出した。このことは、これまで研究者の経験と勘に頼らざるを得なかった負熱膨張物質の探索に革新的な寄与をもたらすと期待される。
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