研究課題/領域番号 |
19K21860
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
妹尾 仁嗣 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (30415054)
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研究分担者 |
圓谷 貴夫 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (00619869)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 分子性結晶 / 第一原理計算 / 光誘起相転移 / 強相関電子系 / 量子ダイナミクス / 有機導体 / 分子性導体 / スピン転移 / 有効モデル化 / 光誘起応答 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,分子が構成要素となる結晶における動的現象をターゲットとして,第一原理計算によるミクロなモデル構築と,その実時間シミュレーションを行い,複雑な分子系の量子ダイナミクスの理解を目指す.近年活発に物性研究が進められている分子性導体における代表者(妹尾,主に有効モデル計算)・分担者(圓谷,主に第一原理計算)の豊富な経験を元に,①複数の相互作用が複雑に絡み合う光誘起応答を見せる分子性結晶,②電子物性研究の対象となりにくかった複雑な分子からなる結晶,を対象にする.
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研究成果の概要 |
分子が構成要素となる結晶である分子性結晶におけるダイナミクス現象をターゲットとして、第一原理計算によるミクロな有効モデル構築と、モデルに対する実時間シミュレーションを相補的に行い、複雑な分子系の量子ダイナミクスの理解を探求した。分子性結晶の電子状態を記述する第一原理計算手法を新たに用い、自発的に分子上の電荷密度の粗密が発現し整列する電荷秩序状態や、スピン磁気モーメントが周期的に現れる反強磁性状態の解析に成功した。また、電荷秩序が光レーザーパルス照射によって融解する現象の理解に向け、量子モデルを用いて非一様性の時間発展をシミュレーションし、初めてその役割を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子物性研究の対象となりにくかった複雑な分子からなる結晶の電子状態の解析や、複数の相互作用が複雑に絡み合う光誘起応答を見せる分子性結晶の実時間シミュレーションを行うことにより、分子性結晶分野の新たな発展を促すことができた。近年発展してきた第一原理計算による定量的な有効モデル化の手法と、これに対する光応答実時間シミュレーションを組み合わせることにより、実験との比較まで到達し物質設計や機能創生にフィードバックを与えることができた。従来個々の問題として捉えられてきた課題に対して、固体物理、光物性物理、計算物理にまたがる異分野融合として位置付けられる。
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