研究課題/領域番号 |
19K21867
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 教授 (60198322)
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研究分担者 |
永田 祐吾 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 助教 (30574115)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 正ミュオン / 陽電子 / 電子 / 低温 / ミュオン / ミュオニウム / ポジトロニウム / 低温金属 / 再放出 / 超低速ミュオン / 低温金属薄膜 / 最放出 / 超低速ミュオンビーム / 拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
陽電子と正ミュオンは同じ電荷を持つレプトンであるにもかかわらず、金属中での振る舞いが大きく異なる。陽電子は金属中を容易に拡散するが、ミュオンは殆ど拡散しない。この違いは、両者のドブロイ波長が全く異なることが原因であると考えられる。我々は、低温の金属中では、ミュオンも陽電子と同様に拡散するのではないかと考えている。本研究課題では、タングステン薄膜を10K程度に冷却する装置をつくり、そこにミュオンを入射してミュオンが薄膜中を拡散するかどうかを調べる。ミュオンが低温金属中で効率よく拡散すれば、超低速ミュオンビーム生成の高効率化が実現し正ミュオンを用いた研究の発展に大きく貢献すると期待できる。
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研究成果の概要 |
金属結晶中では伝導電子や陽電子は効率よく拡散する。これに対し正ミュオンを金属に入射した場合には金属中を効率よく拡散することはなく、格子間に束縛される。このように同じレプトンでも、陽電子と正ミュオンでは振る舞いが大きく異なる。その理由は何だろうか。低温の金属中ならばドブロイ波長は格子間隔よりも大きくなり、正ミュオンも粒子としてではなく、波として拡散していくのではないだろうか。本研究課題ではこの解明に挑んだ。 新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で準備が遅れ気味であったが、2020年度までに実験の準備はほぼ完了した。2021年度のJPARCでのビームタイムで実験を行い、結果を出す予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は、低温の金属中で正ミュオンが効率よく拡散するかどうか調べる。この課題は、金属中における荷電粒子の拡散の本質を突き止める研究である。同時に、低温の金属中で正ミュオンが拡散されることが本当なら、この現象は低速正ミュオンビームを得る方法に利用できるかもしれない。本研究課題は萌芽的な研究ではあるが、成功すれば基礎から応用まで、重要な結果をもたらすものである。
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