研究課題/領域番号 |
19K21875
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川村 静児 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40301725)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 重力波 / 変位雑音フリー干渉計 / 中性子干渉計 / マッハツェンダー干渉計 / J-PARC / 原始重力波 / 変位雑音キャンセル / 原子干渉計 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙誕生直後のインフレーション時に生成された原始重力波の検出は、重力波天文学の究極の目的の一つである。そこで、原始重力波の検出を地上で可能にする全く新しい方法として、変位雑音フリー中性子・原子干渉計を考案した。本研究ではこの手法の実現可能性を、理論・実験両面から検討する。特に、中性子干渉計については、中性子反射鏡のサイズと、減速体での中性子流束の減衰を防ぐ点で実験的・理論的な研究を行う。また、変位雑音キャンセルの限界などについても理論的な検討を行う。この研究が成功し、将来的に原始重力波の観測につながれば、宇宙誕生の謎に大きく迫ることができる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、原始重力波の地上での検出を目指して、変位雑音フリー中性子干渉計を開発し、その原理を検証することであった。 理論面においては、2つのマッハツェンダー干渉計に中性子を両側から入射する方式、1つの干渉計に2速度の中性子を両側から入射する方式、1つの干渉計に4速度の中性子を片側から入射する方式、さらにサニャック干渉計を利用した方式を考案し、それぞれについて詳細な検討を行った。 実験面においては、ジグザグタイプのアルミ板の角度をピエゾ素子で振動させるアクチュエーターを設計・製作し、それを用いて、J-PARCにおいて変位雑音フリー中性子干渉計の原理を実験的に実証できたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2015年の重力波の初検出により重力波天文学が創成し、その後も検出が続いている。今後は、重力波天文学をさらに発展させ、最終的には宇宙誕生直後のインフレーションから発生したと予想される原始重力波を検出し、宇宙誕生の謎を解き明かすことが期待されている。そのような状況の中、我々が開発した変位雑音フリー中性子干渉計は、従来の地上の重力波検出器の感度を低周波帯で飛躍的に改善する可能性を持つ全く新しい検出方式である。本研究により、その具体的な干渉計構成が明らかにされ、その原理が実験的に検証されたことにより、変位雑音フリー中性子干渉計の実現への着実な一歩を踏み出すことができた。
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