研究課題/領域番号 |
19K21889
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
奥村 聡 東北大学, 理学研究科, 准教授 (40532213)
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研究分担者 |
坂巻 竜也 東北大学, 理学研究科, 助教 (30630769)
上杉 健太朗 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光・イメージング推進室, 主席研究員 (80344399)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | マグマ / 破壊 / 差応力 / 時分割X線回折 / ミリ秒観察 / 時間分割X線回折 |
研究開始時の研究の概要 |
マグマは岩石が熔融してできた液体であるが,火山噴火過程においては早い変形を受け液体から固体へと変化する.この液体から固体への変化は様々な物質で観察されるが,これらの変化がなぜ発生するのか,その微視的原因は未解明である.そのため,爆発的噴火の発生原因,つまり火山噴火が爆発的になるか否かという火山学の重要問題を未だ解決できずにいる.本研究では実験システムを独自に構築し,放射光X線を利用することで時間分割X線回折・散乱実験を行う.これにより,固体へと変化するマグマの微視的構造変化を,ミリ秒スケールという高時間分解能で,原子スケールからナノスケールで直接観察・観測することを試みる.
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研究成果の概要 |
マグマは岩石が熔融してできた液体であるが,地表へ向けて急速に上昇する間に液体から固体へと変化し爆発的火山噴火を引き起こす.このマグマの液体・固体転移は速い変形が原因だと考えられているが,原子・ナノスケールの微視的構造と転移の関係は未解明である.本研究は,マグマの時分割X線回折,小角散乱を行うための実験システムを構築することを目的とし,それを利用することで液体から固体へと変化するマグマの微視的構造を調べることを目指した.本研究によって変形中のマグマの微視的構造を調べるための実験システムが構築され,変形による液体・固体転移において原子間距離程度の局所構造には変化が無い可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨大な噴煙柱を形成するような爆発的噴火は,粉々に破壊されたマグマが地表へ噴出することで発生する.このため噴火の予測には,マグマが液体から固体へ転移するメカニズムを解明する必要がある.また液体・固体転移は様々な物質で観察され,転移と物質の微視的構造との関係は多くの分野において重要な課題となっている.本研究では,変形によって液体から固体へと変化するマグマの原子・ナノスケールの微視的構造を調べ,原子間距離程度の局所構造には変化が無い可能性を見出した.本研究で構築された実験システムを利用することで,今後さらにマグマの微視的構造の理解が進み液体・固体転移の全貌が解明されることが期待される.
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