研究課題/領域番号 |
19K21892
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (60242153)
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研究分担者 |
悪原 岳 東京大学, 地震研究所, 助教 (30802954)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 沈み込み / スラブ / 海底地震観測 / レシーバー関数 / 地震波トモグラフィー / 海洋堆積層 / 海底堆積層 / 地球内部水循環 / 水循環 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,沈み込み帯における水循環に関して,多様な地球内部流体・揮発物質の移動の可能性を,観測データから実証的に解明し,地球内部物質循環研究における新たな枠組の構築を目指すものである.沈み込む「スラブ下」のアセノスフェアからの水が上昇する経路があり,プレート上面や,大地震が起こるプレート境界へ水を供給している可能性を地震観測データから解明することを目指す.そのために海底地震観測によるデータを,陸上データと併せて解析し,東北沈み込み帯前弧下のマントル構造とその動態を明らかにする.
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研究成果の概要 |
日本海溝から東北日本弧下に沈み込む海洋プレート(スラブ)の厚み(約80km)の下半分(スラブ下部)とスラブ下のマントルのダイナミクスに着目し,海陸に展開された稠密な地震観測網のデータ解析による構造決定に挑戦した.その結果,スラブ内上部にある海洋モホ面を,海底下から島弧下にわたって連続的にイメージすることに成功した.一方,目標としたスラブ下部の詳細構造解明には至らなかった.その原因が海洋堆積層内での多重反射ノイズによることを突き止め,海底地震観測から,堆積層の微細構造を決定する手法を開発した.今後はその結果を取り入れた解析をすることで,当初目標とした,より深部の構造が解明されることが期待される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島太平洋岸を含む沈み込み帯浅部では,海溝型の巨大地震が発生することが知られている.ひとが生活する陸域から地震の発生する海洋下までの地球内部の地震学的構造を連続的に解明することは,地震動伝搬の予測にもつながる社会的にも意義がある基本的な学術課題である.海洋堆積層は,海底地震計を設置する海洋底ではどこにも存在し,構造推定への影響を明らかにし補正手法を提示したこと,また海洋堆積層の微細構造を決定する手法を開発したことは,今後の当該学術分野の発展の基盤になることが期待される.
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