研究課題/領域番号 |
19K21894
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大森 貴之 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (30748900)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 放射性炭素 / 加速器質量分析 / 微量分析 / 年代測定 / 高精度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、加速器質量分析計(AMS)を用いた14C年代測定に要する試料量を既存の千分の一で分析可能とする超微量年代測定法の確立を目的とする。50-1μg炭素量の高精度14C年代測定を実用化することで、あらゆる地球科学試料が測定対象となり、例えば、湖底堆積物に対しても理論上1年時間解像度で14C年代を得ることが期待される。本研究で確立する超微量分析法は、既存の微量分析を凌駕する安定性と長時間測定を可能とするセメンタイトをAMS測定物質として用い、年代測定の一般的試料量である1mg炭素量分析時と同程度の分析精度を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、放射性炭素年代測定に供する試料の量を既存の千分の一にする超微量測定法の確立を目的とした。年代測定の超微量化には、超微量試料に適した化学処理や加速器質量分析法(AMS)を最適化し、実試料への応用を試行しながら技術評価が必要であった。本研究では、超微量試料に適した試料調製システムのやAMSオペレート法を確立し、AMS標準物質や水月湖の湖底堆積物を用いた試験測定を実施した。本研究により、超微量測定では、およそ三万年前までの年代を精度よく調べられることが実証され、少なくとも20μg炭素量あれば、過去二万年前までの年代測定で十分に実用化可能であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の達成により、今まで試料量の制限から年代をはかれなかった微量な有機物、例えば、土壌に含まれる花粉粒や微粒炭、生物組織を構成する特定の有機化合物など、実質的にみて年代測定できないものがないほど、AMSの応用範囲が拡大することになる。これにより、地球科学や考古学など、過去に目を向ける学術研究の時間的な解像度を飛躍的に向上させることが期待される。
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