研究課題/領域番号 |
19K21901
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
國本 健広 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 特定研究員 (20543169)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 降伏強度 / 塑性変形 / 高圧発生 / マルチアンビル装置 / ナノ多結晶ダイヤモンド / 6-8-2式マルチアンビル装置 / 地球マントル最下部 / 6-8-2式マルチアンビル装置 / 硬質材料 / マントルー核境界 / 超高圧発生 |
研究開始時の研究の概要 |
NPDの合成条件は出発試料によって大きく変動することが明らかとなっている。本研究では5-10万気圧、500-1500℃程度の実験条件においてダイヤモンドへの変換率や粒径、焼結状態などを確認しつつ合成条件を模索して行き、最終的には愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)設置の世界最大級の高圧発生装置を用いて直径10 mm級の超大型NPDの合成を目指す。さらに合成しNPDの高圧発生装置への応用と試料部構成の最適化を行い、地球のマントルー核境界に相当する圧力発生技術の開発に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では地球マントル全域に相当する圧力発生の実現を目指した技術開発を進め、最終的に地球のマントル全域を超える最大150 GPaに至る高圧発生を達成した。また、同技術開発の過程でダイヤモンドの塑性変形開始条件に関する観察を幅広い温度圧力条件において実施し、また様々な条件から収集されたダイヤモンドの回折X線半値幅を解析した結果、500-1000℃間におけるダイヤモンドの降伏強度を決定することに成功した。ダイヤモンドの降伏強度はこれまでに1000℃-1500℃という高温下でのみ測定されており、本研究ではこれを500℃にまで低下させ、室温下におけるダイヤモンドの強度に制約を与えることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダイヤモンドは硬度や熱伝導率などにおいて傑出した物性を持つため、掘削、研磨、加工など現代の工業において、また実験用材料として欠かすことが出来ず、このような利用目的の場合、ダイヤモンドは高い応力環境に曝される。そのため我々は降伏条件を把握した上で利用する必要があるが、ダイヤモンドの高い強度のため明らかにされていなかった。我々はX線その場観察実験により高温高圧条件下におけるダイヤモンド中の応力の蓄積と開放条件を調べ、幅広い温度下における降伏強度を明らかにした。本成果は降伏強度を明らかにするという基礎研究としての成果に加え、工業面でもダイヤモンド材の長寿命化や加工の高速化などに有用である。
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